全世界的な信頼危機

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CIAのエドワード・スノーデン元職員(写真:AFP)

最近、アメリカをはじめ、西側諸国の情報機関による相互情報収集、電話盗聴活動が暴露され、全世界にショックを与えています。世論はこのショックを「スノーデンショック」と呼んでいます。被害国は憤怒し、制裁措置を取ると予告していますが、最も重要なことは、全世界が深刻な信頼危機に陥っているということです。


スノーデンショック

CIA=アメリカ中央情報局のエドワード・スノーデン元職員が持ち出した機密文書に基づき、NSA国家安全保障局がテロ対策の名目などで行っている情報収集の疑惑が、次々と明るみになっています。疑惑は2週間前、ドイツのメルケル首相の携帯電話の盗聴にまで及び、同首相が、オバマ大統領に電話をして抗議する事態にまで発展しました。
さらに、4日、GCHQ=イギリス諜報機関の政府通信本部がドイツの連邦議会や首相府の近くで「電子スパイポスト」と呼ばれるネットワークを運用していることが、NAS=アメリカ国家安全保障局のエドワード・スノーデン元契約局員による提供文書で明らかになりました。
これはイギリスの新聞インディペンデントが報じたものです。同紙によりますと、NSA文書はドイツにおける過去のスパイ活動に関する航空写真や情報とともに、イギリスが大使館屋根に設置されたハイテク機器を利用し、ドイツ議会や首相府における首相執務室の近くで独自の盗聴施設を運営していることを示しています。
同紙は、世界中の外交関連施設で当該国の情報を入手するためにGCHQが行っているスパイ活動はアメリカなど主要なパートナーとともに実施されていると伝えました。


例外なし

アメリカの最も信頼に足る同盟国ともいえる日本も例外ではありません。アメリカの新聞、ニューヨーク・タイムズは2日、スノーデン元職員から提供を受けた文書を基に「NSAの作戦リストは、アメリカの経済的な優位性を保つことを目的に日本を情報収集活動の対象国と記していた」と伝えました。
そのうえで、「NSAは、日本、韓国、イギリス、オーストラリアなどに人員を配置し、アメリカ軍基地やアメリカ大使館を拠点に活動している」と指摘しました。
スノーデン元職員がニューヨーク・タイムズに提供した文書は「2007年の作戦リスト」と記され、NSAが、アメリカの安全保障を脅かす技術革新の可能性や、外交政策の考え方、さらにアメリカの経済的優位の確保という3つの分野で、日本を活動の対象にしているとしています。


信頼回復のためのリセット

これらの情報を見ると、現在、世界の政治舞台で、「信頼」という要素は贅沢なものとなるといえます。同盟国も信頼できません。相手国も信頼できません。全世界が信頼危機に陥っています。その背景の中で、信頼回復は死活問題とも言えますが、信頼回復のためにどのような措置を取る必要があるかが焦点となっています。そして、各国はスノーデンショックを棚上げにして、信頼醸成のためにリセットできるかどうかも重要な要素と見られています。

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