共有された繁栄の強じんな未来に向けてのAPECの構築
(VOVWORLD) - 既にお伝えしましたように、去る20日、マレーシアのムヒディン・ヤシン首相の主宰により、APEC=アジア太平洋経済協力会議の第27回首脳会議がオンライン形式で行われました。
会議で、ベトナムのグエン・スアン・フック首相を含め、加盟21カ国の首脳は「APECプトラジャヤ・ビジョン2040」を採択しました。
APECプトラジャヤ・ビジョン2040」はすべての国民と未来世代の繁栄のために2040年までに開放的かつ躍動的で、回復力のある平和なアジア太平洋共同体を作る」との目標を定めました。また、貿易・投資、革新・デジタル経済、包容的・持続可能な成長の3分野の未来ビジョンを提示されました。
核心的な発展方向で一致
貿易・投資に関し、アジア太平洋が世界で最もダイナミックな経済発展を遂げる地域であり続けることを確保するため、首脳らは公平で開放的、かつ、安定した貿易・投資環境の整備で緊密に連携していくことで一致し、市場主導的な方式で域内の経済統合をさらに発展させる方針を表明しました。
また、WTO=世界貿易機関の各規定への支持を再確認し、投資貿易の自由化に関するボゴール目標、アジア太平洋地域の経済統合、FTAAP=アジア太平洋自由貿易圏の実現のために努力を続ける意思を盛り込みました。
さらに、「市場主導的でデジタル経済と革新が後押しされる環境づくり」とし、革新技術の開発促進、デジタルインフラ強化、データの移動活性化などのための協力を訴えました。
そして、危機やパンデミックのような緊急事態からの回復力の確保を強調し、すべての利益・健康のための質的成長の増進、包容的な人的資源の開発、気候変動への対応の必要性も強調されました。会議で発言に立ったグエン・スアン・フック首相は次のように語りました。
(テープ)
「まず、APECは新型コロナウイリス感染症の制圧で行動を協調すると同時に経済連結を推進し、サプライチェーンを確保して、アジア太平洋が引き続き経済回復で先頭に立つことが狙いです。ASEAN2020の議長国としてベトナムはASEAN加盟諸国やAPEC加盟国であるパートナー国と緊密に連携し、パンデミック対応を目指す断固たる行動を取って、疫病の感染拡大を適宜に制圧しました。一方、RCEP=東アジア地域包括的経済連携協定の締結が図られました。」
ベトナム、APEC加盟諸国と力を合わせる
このように語ったフック首相はまた、APECが国際協力精神を掲げ、多国間協力を強化した上で、経済発展への刺激策を講じ、市民、中でも実業家の必要な往来に条件を作り出すとともに、ワクチンと医薬品への市民の平等なアプローチを確保する必要があるとの見解を述べました。さらに、APECはアジア太平洋をインベンション・イノベーション・科学技術の中心地へと発展させ、連結の強化、発展格差の是正に尽力しなければならないとしています。フック首相は次のように語りました。
(テープ)
「APECプトラジャヤ・ビジョン2040の採択に賛成します。ベトナムは自らの力と国際社会の支援により、APEC加盟諸国と力を合わせ、ビジョンと願望を現実に移し、地域諸国の国民の幸福と安定した生活の確保に向け、尽力していきます。」
APECは21世紀に向けてアジア太平洋地域の各国・地域が高い経済成長を維持する中、この地域が世界経済に対し果たすべき役割はますます大きくなっており、貿易・投資の自由化で先頭にたっています。新型コロナが大流行し、大国間の競争が激しくなっている背景の中でベトナムを含むAPEC加盟諸国が今後の発展戦略で合意したことは世界経済におけるAPECのリーダーシップの確保に寄与するでしょう。