半導体産業の開発

(VOVWORLD) - リスナーの皆さん、2024年は半導体産業開発国家戦略を実施する最初の年です。これは基盤となる産業であり、今後30年ないし50年間に、国家の重点的な産業となる見通しです。半導体技術をマスターすることは広大なテクノロジー世界への扉を開き、より速く、より遠く前進するためのカギとなります。
半導体産業の開発 - ảnh 1写真:「Báo Quân đội nhân dân」紙

男性:「今、情報技術大学で回路設計を専攻しています。将来、回路技術者として務めます。現在、この分野は普及していませんが、今後、発達すると思います」

男性:「ベトナムで半導体は有望な産業です。ベトナムは発展途上国で、半導体チップ生産を開発する余地があると思います。最近、半導体技術を保有している先進国であるアメリカや中国などの企業は半導体チップの生産における協力チャンスを模索するため、ベトナムに進出しています。これは同分野を専攻する学生によいチャンスをもたらすでしょう」

半導体チップ産業の成功はデジタル時代における経済開発の支えとなります。ベトナムで回路設計分野に進出し、成果を収めた企業は姿をあらわしています。

ベトナム軍隊工業通信グループ「ベトテル」の技術者はベトナムで初となる5G システムの最も先進的で複雑なチップを試験し、製造に成功しました。それは5G DFEチップであり、1秒間に1 兆回の計算が可能となるものです。ベトナム人技術者が先進的なチップの設計工程を完全にマスターすることは世界市場で 5G チップが商用化されていない背景の中で重要な意義があります。現在、世界で5Gチップ製造技術をマスターした国は5、6か国しかありません。

「ベトテルハイテク」マイクロチップセンターの最高技術責任者であるレ・タイ・ハ博士は次のように語りました。

(テープ)

「これは世界最先端のチップ設計技術です。私たちはアメリカ西海岸シリコンバレーに本社を置く電子設計自動化会社シノプシスの支援を受け、ベルギーの研究開発センターに技術者を派遣しました。同センターのコア技術を保有する技術者との交流を通じて、ベトナムの技術者は絶対にそのレベルに到達できることが分かりました」

5Gチップ設計に成功したことはベトナム人の能力を示すだけでなく、今後の開発の土台を築くものです。シノプシス南アジア支社の最高経営責任者チン・タイン・ラム氏は次のような見解を述べました。

(テープ)

「ベトナムでは起業家や研究グループへの投資はわずかです。ただし、電子設計自動化で業界最大手企業と協力し、世界最先端のチップと競争できるようなチップを製造でき、誇りに思っています。シノプシスは世界中の大口(おおぐち)顧客にベトナム企業のチップ設計能力を紹介する一方、ベトナムが自らの能力を証明するよう期待しています」

5G DEFチップは世界有数の企業しか製造できない先進的なチップであり、それをマスターできたことはベトナムの能力を立証しました。これにより、ベトナムはグローバルな半導体産業への参入を強化することができるでしょう。

半導体の集積回路の設計ができるだけでなく、ベトナムは日増しに世界の大手半導体メーカーにとって魅力的な投資先となっています。大手半導体メーカーはベトナムに数億ドルから数十億ドル相当の投資を行っています。

10月11日に北部バクニン省で、アムコー・テクノロジー社の投資による総額16億ドルの半導体工場が正式に稼動しました。アメリカのアリゾナ州に本社を置く同社は半導体パッケージとテストサービスを提供する世界的なリーディングカンパニーとして知られています。

アムコー・テクノロジー社の半導体工場の稼働式は、韓国半導体メーカーであるハナマイクロン(HANA Micron)のベトナム現地法人ハナマイクロンビナ(Hana Micron Vina)が北部バクザン省のバンチュン工業団地に半導体工場を開設してからわずか1か月後に行われました。投資総額約6億ドル相当のこの工場はベトナム北部初の半導体工場です。

これに先立つ5月には、アメリカのファブレス半導体メーカーであるマーベル・テクノロジー・グループもホーチミン市に世界有数のIC集積回路設計センターを設立すると発表しました。同センターは、インド・アメリカ・イスラエルにあるマーベルのセンターとともに、同社の世界クラスの研究開発センター 4 つのうちの 1 つになります。

マーベルベトナム社のレ・クアン・ダム社長は次のように語りました。

(テープ)

「弊社はベトナム政府から大きな支援を受けています。技術面では最先端の技術を持っています。私たちの意見では、これは絶好の機会で、ベトナムはこの機会を利用してIC産業をより高いレベルに発展させることができると思います」

半導体業界の大手企業がベトナムに進出していることは、同業界におけるベトナムの魅力を示しています。在ベトナム韓国企業協会のホン・スン会長は次のように語りました。

(テープ)

「現在、ほとんどの製品にチップがあります。ベトナム政府が世界有数の半導体工場を誘致したという事実は、次の段階の発展の見通しが非常に明るいことを示しています」

半導体産業の開発 - ảnh 2ホアン局長(MPI撮影)

一方、ベトナム計画投資省外国投資局のドー・ニャット・ホアン局長は次のように語りました。

(テープ)

「ベトナムは徐々にチップ製造のエコシステムを形成し始めています。この分野でベトナムに投資している一部の企業は、生産を拡大する計画を立てています。これらの企業は、最初の試みから安定していて良好であれば、拡大し始めたというふうに一歩一歩堅実に進んでいます。同分野の多くの企業との接触を通じて、ベトナムは今後も、この分野における数十億ドルの投資を受ける可能性があることがわかりました」

同分野の企業がベトナムへの投資を強化していることはベトナムの役割が増大していることの証拠であり、ベトナムが世界の半導体サプライチェーンでその地位を確立する機会となっています。

A:ベトナムは、半導体産業の重要な初期の基盤を構築するための方向性と目標、そして具体的な行動計画を打ち出しました。情報通信省情報通信技術産業局のグエン・ティエン・ギア副局長は、この分野におけるベトナムの準備が整っていることを確認しました。半導体産業の構築についてギア副局長に伺いました。

半導体産業の開発 - ảnh 3ギア氏(nhandan.vn撮影)

記者:当局は半導体産業のサプライチェーンにおけるベトナム経済の利点をどのように特定しましたか?

ギア氏:

「アメリカ、欧州、韓国、日本などの国々の半導体戦略は、いずれも自国で生産拠点を作り、サプライチェーンにおいて主体的に関与することを目指しています。ベトナムも世界の半導体産業のエコシステムに参加したい場合は、同様の観点を持ちながら、相互支援ができる国のエコシステムとリンクしなければならないことを認識する必要があります。ベトナムは独立した外交政策を実施しながら、多くの国と良好な関係を持っているため、ベトナムのチャンスは非常に大きいと思います」

記者:ベトナムが世界の半導体産業のエコシステムにおいてより高い地位を占めるためには、体系的なロードマップが必要ですか。

ギア氏:

「全体として、ベトナムには並行戦略が必要だと思います。第一に、ベトナムを地域における半導体産業のセンターにするために、世界各国の企業をベトナムに誘致し続けるとともに、同分野における国内能力を向上させるための政策と対策を講じる必要があります。例えば、ベトナムの一流大学においてもまだ欠けていることは完全な実験室システムです。このシステムが充実すれば、学生が卒業すると、すぐにIC製品を作ることができるでしょう。

さらに、IC分野のスタートアップ企業ができるだけ早く製品を市場に出荷できるようサポートするために、世界中の生産拠点や研究所と連携する必要があります」

記者:地域諸国は半導体産業に特別な優遇政策をとっていますが、ベトナムはこの分野の企業を奨励するためにどのような政策をとっているのでしょうか?

ギア氏:

「ベトナムの優遇政策は他国と比べてかなり優れていると思います。法人税の減免や、輸入部品に対する輸入税の免除、付加価値税の免除などの面においては他の国と比較すると、おそらく少なくとも10分の7に当たると思います。これらの優遇政策が、半導体分野の外国企業が最近ベトナムにこれほどの投資を行っている理由だと私は考えています」

記者:ありがとうございます。

50社以上の外国企業がエレクトロニクス産業や半導体産業でベトナムに投資していることはこの分野におけるベトナムの将来性を示しています。

(テープ)    

「この産業がベトナム政府の最高レベルの注目を集めていることは興味深いことです。政府からの直接的な指導は強い政治的意志を示し、ベトナムを半導体産業の先進国へと変えるのに役立ちます。また、ベトナムが半導体戦略を構築していることを歓迎します。この産業には多くの投資奨励政策パッケージが適用されていることも知っています」

(テープ)

ベトナムは中所得の発展途上国であるため、適切な産業発展戦略が必要です。半導体産業の発展に注力することがベトナムの戦略的選択だと思います。ベトナムは、プロのIC設計者となる若い人材の育成に投資を強化し、それによってベトナムのIC産業が一段と発展するでしょう。それが今後5~10年でベトナム経済に目覚ましい成長をもたらすと私は信じています」

半導体産業の唯一無二の機会を活用するには、人材が非常に重要です。ベトナムはこの問題に対して総合的な準備を進めてきました。

政府は去る8月決議124号を発布し、その中で関連省庁に対し2030年までの半導体産業の人材育成プロジェクトの立案を求めました。そして、10月の国会でファム・ミン・チン首相は次のように強調しました。

(テープ)

「新興産業・分野における質の高い人材の育成に注力し、その中で2025年から2030年までの期間において半導体産業向けに5万人から10万人の優秀な人材を育成することに重点を置きます」

それに対し、ベトナムの多くの大学は、IC技術者の育成を行っています。

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「ハノイ国家大学には多くの専門家からなるチームがあり、ICの設計と製造から、半導体材料、実験、適用まで半導体分野のプロジェクトの実施と国際協力に関する経験が豊富です。現在、ハノイ国家大学は、半導体を含む科学技術を専攻している学生が多いです」

「ベトナムにはチャンスが到来しており、我々はこのチャンスを掴まなければなりません。FPT大学のやり方は、世界中の大きな大学と協力して、その教育プログラムをベトナムに導入するということです。アムコー・テクノロジー社ようなベトナムに進出している外国の大手企業に人材をすぐに提供できるようにしています。また、短期および長期の研修プログラムやアドバンストプログラムも用意されています」

半導体産業の開発 - ảnh 4ソン次官(Vietnam+撮影)

教育訓練省のホアン・ミン・ソン次官は、教育機関の取り組みを評価し、次のように述べました。

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「IC設計をはじめ半導体産業においては、生産拠点の大きなシフトと人材の需要の急増が見られています。ベトナムの大学もこの変化を認識しており、それに対応するための計画を立案しました。教育訓練省は、大学の能力を向上させ、教員と施設を整備する計画を立てます。総力を挙げたアプローチにより、今後数年、そして2030 年までの人材要件を完全に満たすことができると思います」

半導体チップ産業は経済発展の深化に貢献するハイテク産業です。人材育成を積極的かつ系統的に行うことで、ベトナムが発展の機会をうまく掴むことが期待されています。

ベトナムは、半導体産業が今後30~50年で国家の基幹産業になると確定しています。この方向性は、ベトナムが世界の半導体チップ産業で新たな地位を確立するための条件を作り出すとともに、ベトナムの国際統合の促進に役立つことでしょう。

 

 


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