南シナ海地域の平和展望

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ベトナム東部海域、いわゆる南シナ海は豊かな資源に恵まれ、海上交通の要衝に位置することから戦略的に重要視され、そのために南シナ海を巡る紛争がよく発生しています。DOC「南シナ海行動宣言」の発効とCOC「南シナ海行動規範」の制定はこの地域での安定・平和・友好の維持に向けた効果的な方策であると見なされています。

2002年11月4日にカンボジアでアセアン東南アジア諸国と中国によって調印されたDOC「南シナ海行動宣言」は、アセアンと中国の南シナ海問題に関連する最初の政治的文書となっています。これは、南シナ海問題におけるアセアンと中国関係の突破口であると見なされています。

2011年7月21日に、インドネシアのバリ島で、アセアンと中国は9年間にわたった交渉後に、DOC履行のためのガイドラインを承認しました。

先頃、ハノイで開かれたベトナム東部海域、いわゆる南シナ海に関する第5回国際シンポジウムで、アセアン東南アジア諸国連合のニャン・リン副事務局長は同シンポジウムに宛てたレ・ルオン・ミン事務局長のメッセージを伝えた際、次のように語りました。 (テープ) LYNN1

「DOCは基本的な原則を提出してきました。それらは南シナ海における平和、安定、海上の安全保障などです。アセアンは関連各国に全ての紛争を平和措置で、国際法に基づいて解決するよう常に呼びかけている関連各国向けの行動規範をも提出しました。」

10年余り経ちましたが、DOCはアセアン諸国と中国の行動の柱となってきました。しかし、DOCは海上紛争問題の解決策に向けた最終目標ではないとされています。リン副事務局長はまた、次のように強調しました。

(テープ)L

「COCは実施綱原則を提出し、関連各国の参加による交渉の結果に基づいて制定されなければなりません。将来、COCはアセアン諸国と中国に対する法的拘束力を持たなければなりません。その上で、南シナ海問題を巡る紛争の解決へ向けた平和・安定・着実な環境を構築する事が出来ます。」

今年中に、アセアンと中国は、COC制定プロセスの加速へ向けて前向きな動きを示してきました。シンガポールにあるラジャラトナム国際研究大学院のRalf Emmers南シナ海研究者は次のように語りました。

(テープ)

「今年始めに、中国はCOCの協議を受け入れました。これは、中国の前向きな変更となりました。というのは、かつて中国はCOC協議過程に対しかなり強固な見解を持っており、この行動規範を実現する時間はまだ来ないと主張していたのです。COCに関する交渉と協議の過程は長期的なものであるので、私たちはCOCを直ちに達成できることが期待できません。」

南シナ海問題はアセアンと中国間の協力問題の一つです。しかし、これらの問題は合理的に解決できない限り、双方に矛盾が発生し、南シナ海地域を悪化させる恐れがあります。アセアンと中国は、DOCの基礎を基に協力プログラムを実現する事は、南シナ海問題の解決における相互信頼を醸成し、COCの策定に関する会議の開催に便宜を図るチャンスとなります。これらの前向きな兆しは地域内での平和・安定の維持に寄与すると期待されています。

 

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