現在、国外に在留しているベトナム人は450万人にのぼっています。ベトナム政府は、国外在留ベトナム人をベトナム民族から切り離せない一部分とみなしており、国外在留ベトナム人を国の発展事業に活用する方針です。
近年、ベトナムは、国籍、土地使用権、家の購入、居住管理などに関する一連の法律を整備し、国でビジネスをしたり、居住したりしようとする国外在留ベトナム人にできるだけ便宜を図っています。これにより、ベトナムに戻って政治・経済・文化・科学技術などの分野で活躍しているこれらの人たちは増えつつあります。
その中で、国外在留ベトナム人による多くの投資プロジェクトは効果を上げており、国の発展事業に大きく貢献しています。ロシアに住んでいた実業家タイン・ドさんはホーチミンとニャチャンの両市で高層ビルの建設分野に投資を行っています。ドさんは次のように話しています。
(テープ)
「私は微力ながらも、ホーチミン市の発展に貢献したいと思います。高層ビルを建てて、国の変貌を加速させるのが私の希望です。」
ベトナムで活躍している国外在留ベトナム人の中で、実業家やビジネスマン、投資家などの他、知識人や科学者の役割も目立っています。毎年、専門家として帰国すのは約300人で、その半分以上は国家機関で、残りは教育施設や病院、研究所などで働いています。彼らは、教育、医療、エネルギー、インフラ整備などの分野において、海外で積んだ経験と知識を活かして国の発展に大いに貢献しています。パリ大学のレー・ヴァン・クオン教授は、次のように話しています。
(テープ)
「私は、国際レベルに匹敵する経済学のタレントを育成できるようにどうしたらいいのか悩んでいます。これは、私たちができることです。私が考えているのはベトナムの大学で質の高い経済学部を設立することです。安い費用で国際レベルの教育を受けることによって頭脳流出を未然に食い止めるとともに、外国からタレントを誘致することができると思います。」
ファム・ビン・ミン副首相兼外相は、国外在留ベトナム人に国への貢献を奨励するため、具体的な措置を取っていると強調し、次のように語りました。
(テープ)
「国外在留ベトナム人に国への貢献を奨励するのは重要な課題です。彼らの8割は先進国に住んでいますので、知識と経験がたくさんあります。それは国にとって貴重な財産です。ベトナム政府は、こうした人たちが国の工業化と現代化事業に最大限に貢献できるような環境作りに取り組む方針です。」
国外在留ベトナム人の活用は、国の経済社会の発展だけでなく、民族大団結の強化にも寄与していると評されています。