ベトナム経済が多くの困難に直面していながらも、ベトナムでの貧困率は削減されると共に、社会福祉が確保されています。これは、この３年間に実施されてきた国家目標プログラムの成果と見られています。

ハノイで開催中の、第13期ベトナム国会第6回会議に取り上げられた内容の一つとして、この国家目標プログラムの実施状況が討議されています。

現在、ベトナムの多くの分野において、１６件の国家目標プログラムが実施されています。2011年から2013年までの、この3年間に国家予算とODA政府開発援助からおよそ８兆２千億ドン、約３千8百億円がこれら、国家目標プログラムへ拠出されました。

これらの国家目標プログラムの実施により、社会福祉の確保やミレニアム目標の実現がもたらされ、飢餓の一掃および貧困の解消、困難な地域住民の生活水準の改善に有利な条件を作り出すことができました。

北部バクニン省選出のグェン・ティ・タイン・ホア( Nguyen Thi Thanh Hoa) 国会議員は次のように語りました。

（テープ）

「この３年間に達成した成果は重要な意義を持っています。共産党、政府、国会は常に社会福祉に配慮しています。経済が困難に直面し、GDP国内総生産が減少していますが、社会福祉への投資は維持され、貧しい世帯の割合が年を追って引き下げられました。これと同時に、社会保険への加入者も増加し、社会保障を受ける対象が拡大され、貧しい生徒学生や少数民族出身の生徒学生への補助措置も取られています」

国家目標プログラムは、一定の成果を収めましたが、多くの問題点も残されています。その一つとして挙げられるのは１６件の国家目標プログラムの中には各部門や機関が実施している事業や役割と重なる事業や役割を含むプログラムがあるということです。

その理由により、多くの国会議員は国家目標プログラムの実施の効果向上を目指し、国家目標プログラムの選定方法を見直す必要があるとの意見を出しました。つまり、重点的プログラムにしか投資しないということです。

北部山岳地帯カオバン省選出のラ・ゴック・トァン( La Ngoc Thoang) 国会議員は次のように語りました。

（テープ）

「それぞれの国家目標プログラムの目標を見直す必要があります。これと同時に、交通、学校、診療所などインフラ整備への投資を増加するほうがいいと思います。また、それぞれの地方の特徴を基礎に、臨機応変な実施方法を取ります」

特に、2016年以降、政府は貧困解消と新しい農村作りなどを含め2、または3件の国家目標プログラムの実施に投資を集中的に行います。

中部クアンビン省選出のホアン・ダン・クァン（Hoang Dang Quang）国会議員は次のように語りました。

（テープ）

「経済が困難に直面していても、農業と農村への投資を優先的に行うという政府の主張に賛同します。そのため、国会と政府に対し、農業への投資を増加するよう提案します。これと同時に、農業構造の再編を強化しなければなりません」

このような対策を実施するならば、今後、国家目標プログラムが効果的に実施され、経済発展と貧困の持続的削減に寄与することでしょう。