国際10大ニュース

国際10大ニュース

1・中東地域に妥協の動き

イランと欧米など6カ国はイランの核問題をめぐり、歴史的な合意に達しました。イランがウラン濃縮活動を制限する見返りに、経済制裁が一部緩和され、イランと西側の対立解消に向けた第一歩となる可能性があります。今回の合意には、プルトニウム製造につながるとして西側が特に懸念を強めていた西部アラクの実験用重水炉の建設中断などが盛り込まれています。また、イランは濃縮度5%超のウラン濃縮活動を凍結することも約束したということです。

他方、ロシアはシリア政府に対して、シリアが保有しているすべての化学兵器を国際社会の管理下に置くよう要請しました。これに対してシリアのムアレム外相は、ラブロフ外相との合同記者会見で、「ロシアのイニシアティブを歓迎する」と語りました。この提案は、シリアにおいて二度と化学兵器が使用されないことに道を開くものであり、大いに評価できるものです。

2・アメリカのPRISM=盗聴監視計画で国際関係に深刻な影響

アメリカの情報機関が同盟国の指導者の電話盗聴やインターネット上の個人情報収集と元職員が暴露し、内外に波紋が広がりました。盗聴の対象となったドイツやブラジルがプライバシーの権利に関する決議案を提案し、国連総会の第3委員会(人権問題担当)は「デジタル時代におけるプライバシーの権利」の決議を大多数の合意で採択しました。

3・初の黒人出身の大統領ネルソン・マンデラ死去

南アフリカの反アパルトヘイト(人種隔離政策)闘争を指導したノーベル平和賞受賞者、ネルソン・マンデラ元大統領が95歳で、ヨハネスブルクの自宅で死去しました。アメリカのオバマ氏は弔意を示すため、ホワイトハウスなどで半旗掲揚を指示しました。ロンドンのイギリス首相官邸でも半旗が掲げられるなど、国際社会に弔意が広がりました。

4・新しいローマ法王選出

新しいローマ法王がようやく選出されました。退位したローマ法王ベネディクト16世の後継者を選ぶ選挙(コンクラーベ)は、アルゼンチンのブエノスアイレス大司教のホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿を第266代ローマ法王に選出しました。新法王は「フランチェスコ1世」を名乗っています。中南米出身の法王は初めてです。

5・国際世論、中国のADIZ設定に反発

中国が一方的に東シナ海上空でADIZ=防空識別圏を設けました。これを受け、日本、アメリカ、韓国など、多くの国が強い懸念を表明し、反発しています。ADIZには沖縄県の尖閣諸島と馬羅島(マラド)、鴻島(ホンド)、水面下の岩礁(がんしょう)である離於島(イオド)上空を含まれています。

国際10大ニュース - ảnh 1
ウクライナでの反政府デモ(写真:thestar.com)

6・多くの国で政治的混乱

タイでは政権与党が議会に恩赦法案の可決を求めたことを受け、野党側は大規模なデモ集会を行い、社会混乱を引き起こしました。インラック首相は議会下院の解散と総選挙の実施を表明しました。他方、カンボジアでは最大野党救国党は選挙で大規模な不正行為があったと訴え、下院選挙後初の国会をボイコットしています。こうした中、ウクライナで、EU=欧州連合加盟の第一歩となる「連合協定」の締結を取りやめてロシアに再接近する姿勢をみせるヤヌコビッチ政権に対する、野党勢力による大規模な抗議集会が開かれています。

7・過激テロ組織、アフリカでテロ活動を拡大

ソマリアやナイジェリア、マリ、アルジェリアなどで一連のテロ事件が発生しました。特にケニアの首都ナイロビ市内の高級ショッピングモール「ウエストゲート 」が武装集団 に襲撃され、少なくとも62人が死亡、およそ200人が負傷しました。ソマリアの国際テロ組織アルカイダ(Al Qaeda)系イスラム過激派組織アルシャバブ(Shebab)が犯行声明を出しました。

8・サウジアラビア、国連安保理非常任理事国への就任を拒否

サウジアラビアは、選出された国連安全保障理事会の非常任理事国への就任を拒

否しました。シリアへの軍事介入を渋り、イランとの関係改善に動き始めたアメリカに

再考を求めるため、との見方も出ています。

9・インドネシア・バリで開催された第9回WTO公式閣僚会議は、WTO発足以来初めてのマルチでの合意であるドーハ・ラウンドの部分合意に達しました。

2001年に開始されたドーハ・ラウンドは、2008年夏に主要交渉分野である農業分野と非農産品市場アクセス分野での合意失敗以降漂流を続け、2011年12月に開催された第8回閣僚会議ではその包括的妥結を断念、以来、「プラグマティックなアプローチ」として、細々といくつかの分野での交渉を継続してきていました。

10・台風ハイエンにより、フィリピンで7千人以上の死者

史上最大規模の台風30号「ハイエン」がフィリピン中部を直撃し、死者・行方不明者は1万人を超えました。島国であるフィリピンは、台風による猛烈な暴風雨と高潮により、沿岸地域はまるで津波の跡のような壊滅的な被害を受けました。

こうした中、ポーランドで開催された国連の気候変動枠組条約の第19回締約国会議(COP19)ではCO2削減に向けた大きな成果はありませんでした。

ご感想

他の情報