戦争の傷跡をいやすベトナム帰還兵

この25年、毎年3月になるとベトナム戦争アメリカ人帰還兵であるロイ・マイク・ボエムさんはベトナム中部クアンガイ省のソンミー証跡記念塔を訪れ、1968年のソンミ村での虐殺事件で命を奪われた民間人504人の冥福を祈るため、バイオリンを弾いています。

現場の音

戦争の傷跡を癒すため、マイク・ボエムさんは長年、世界の友人に対し、ソンミ村への学校建設、教育設備の購入のために募金運動を展開するほか、クアンガイ省でのチャリティ・ハウス建設を支援してきました。

戦争の傷跡をいやすベトナム帰還兵 - ảnh 1

           バイオリンを弾いているマイク・ボエムさん


マイク・ボエムさんと同じように、『平和のための帰還兵たち』という組織のスエ ジョン議長は今も心に残るベトナム戦争の傷跡を癒すため、幾度もベトナムに戻っています。1998年、スエ ジョンさんは戦争終結以来初めてベトナムに戻り、その旅の中で、ベトナム人の寛容さと親しみやすさを十分に理解できるようになりました。帰国してから、スエ ジョンさんはベトナムに残る枯葉剤被害など戦争の後遺症について話すため、アメリカの多くの都市や大学に行きました。それ以来、スエ ジョンさんは度々にベトナムを訪れています。スエ ジョンさんは次のように語りました。

(テープ)

「戦争は終結しましたが、その後遺症はまだ非常に深刻です。枯葉剤、不発弾や地雷の被害者は今も戦争の後遺症に悩んでいます。私の任務はベトナムに残されている戦争の後遺症をアメリカ人に知らせることです。今後もこの任務の実施のため、全力を尽くします」

その他、2008年以来、ベトナム帰還兵はベトナム枯葉剤被害者がアメリカ化学製薬会社を相手とって起こしている訴訟を支持するため様々な活動を行ってきました。『平和のための帰還兵たち』組織のマイク・マルシー副議長は次のように語りました。

(テープ)

「私たちは枯葉剤に関連する問題について、アメリカ政府と国民の認識を変えるために働きかけてきました。私の仕事は戦争の後遺症を合法的に示す証拠を収集したり、ベトナム人の枯葉剤被害者が痛みに苦しんでいる事実をアメリカ議会に提出し、ベトナム戦争の被害者の支援を呼び掛けたりすることです。実際、ベトナムを愛するアメリカ人はたくさんいます。私の任務は戦争の後遺症を癒すための架け橋としての役割を果たすことなのです」

40年前に、ベトナムは苛烈を極めた戦場でしたが、現在、多くのベトナム帰還兵はベトナムに戻りました。彼らはベトナム人民の暖かい心と寛容さを実感しています。『平和のための帰還兵たち』という組織のスエ ジョン議長は次のように語りました。

(テープ)

「私は常に「自分は1968年ベトナムに生まれた」と言っています。外見はベトナム人とは違いますが、心はベトナムと共にあります」

ベトナムに送った書簡の中で、スエ ジョン議長は「我々は過去を変えることはできないが、未来を変えることはできる」と書いています。実際、ベトナム帰還兵は過去を変えることはできませんが、戦争の傷跡を癒すためなら、行動できることでしょう。


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