(VOVWORLD) -
22日午前、開幕した第14期国会第3回会議で、チュオン・ホア・ビン副首相が読み上げた政府報告は今年第1四半期の経済社会分野の成果を紹介するとともに国会が承認した6.7%という今年のGDP=国内総生産の目標の達成を目指す措置を打ち出しました。
写真提供 : Van Diep |
今年第1四半期、世界情勢が複雑に推移してきました。あちこちで衝突が発生し、保護貿易主義の傾向が強まり、金融市場はリスクを見せています。また、国内経済の競争力は高まっていません。こうした背景の中で、経済発展目標を達成するため、政府はマクロ経済の安定化、信用機関の再編、不良債務の処理、投資経営環境の改善に集中する決意を示しました。
マクロ経済の安定化、経済成長の促進
年末までに、GDP成長率を6・7%にするという目標の達成に向けて政府は断固たる措置を実施する方針を固めました。具体的には通貨・金融政策などを臨機応変に運営するとともに信用成長を確保し、農業農村、輸出、裾野産業の発展、金利を安定化させるなどの重要な解決策が挙げられました。ビン副首相は次のように語りました。
(テープ)
「政府は投資家、企業経営者に有利な条件を作り出し、輸出の強化やプロジェクトの加速を激励しています。また、輸出用加工品を引き下げるとともに企業に対し、FTA=自由貿易協定から得られるチャンスの活用を支援し、国内市場、とりわけ小売市場の管理を強化し、先進的な科学技術の生産経営への適用を進め、第4次産業革命を生かしていきます。」
また、政府は農業再構築に際し、農作物や畜産構造の移行を行い、原油価格を見守るとともに引取量を調整し、裾野産業の発展を強化する計画があります。さらに、サービス業と観光を重点的な経済分野へと発展させ、今年、ベトナムを訪れる外国人観光客を昨年比30%増にするという目標の達成に取り組んでいます。
不良債務の処理に関する決議を国会に提出
不良債務や弱体化した国営企業の処理は重要な任務の一つとして取り上げられました。今国会で政府は不良債務の処理に関する決議を提出するとともに信用機関法改正案への意見集約を行なう予定です。ビン副首相は次のように明らかにしました。
(テープ)
「国会で不良債務の処理に関する決議が採択されれば、政府は慎重でかつ厳格に弱体化した信用機関の処理を目指し、関連の法律文書を充実します。また、2016年~2020年期の信用機関の再構築と不良債務の処理計画を早期に発表します。」
そして、浪費を引き起こした12件のプロジェクトに対して、今後、政府は国営企業に対し再構築や効果向上、株式化を進めるよう指示しました。
投資経営環境の改善を目指す体制の充実
これまで、体制の充実は前向きな成果を見せてきました。国際競争力ランキングでベトナムは調査対象国の190の国・地域の中に82位となり、前年から9ランク上昇しました。購買力や生産力も安定的に増加しています。しかし、競争力がまだ低く、国営企業と外資企業との連携が緊密化されていないなどの問題が指摘されています。こうした事情を踏まえ、政府は社会主義を志向する市場経済体制の充実に尽力すると同時に民間経済セクターを重要な柱に位置づけるとしています。ビン副首相は次のように明らかにしました。
(テープ)
「国会が採択した法律や決議を早期に展開する一方、平等な投資経営環境の確保を目指す政策を充実し、民間経済セクターに対し、国営企業の再構築への参加に条件を作り出します。政府は各省庁、地方に打ち出された具体的な目標に従って投資経営環境の改善を精力的に実施するよう指導します。また、国民と企業に便宜を図るため、オンライン公共サービスを提供します。そして第4次産業革命へのアプローチ能力を向上させなければなりません。」
2017年は2016年から2020年期の経済社会発展5カ年計画の実施で重要な一年となっています。政府が打ち出した解決策は2017年の経済社会発展目標の達成に貢献し、向こう数年に着実な基盤を作り出すでしょう。