日中両国間の直接取引

日本の円と中国の通貨=人民元を銀行間で直接交換する取り引きが、1日から東京と上海の外国為替市場で始まり、日中間の貿易の促進につながることが期待されています。

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銀行間で円と人民元を直接交換する取り引きは、日本と中国の貿易を活性化させるために作年12月の 首脳会談で合意したことを受けたもので、1日から東京と上海の市場で取り引きが開始しました。東京・丸の内にある大手銀行のディーリングルームでは、午前 9時に円と人民元の直接取り引きが始まり、初値は1元=12円33銭でした。
この直接取り引きでは、これまでの円をいったんドルに換金し、ドルを人民元に換えるコストがはぶくため、手数料が軽減されるなど人民元の使い勝手がよくなるため日中間の貿易や金融取引の促進につながることが期待されています。
三菱東京UFJ銀行金融市場部の星野昭次長は「人民元が身近になることがいちばんのメリットで、人民元建ての日中の貿易量が増えるなどの効果が予想される。これをきっかけに人民元の国際化が進んでいくことが期待される」と話しています。

これに先立ち、日中両国の財政・金融当局は29日、東京、上海の両市場で6月1日から人民元と日本円の直接取引を開始すると発表しました。円は米ドルに続いて人民元と 直接交換できる2番目の主要通貨になります。日本メディア、経済界はこれを歓迎し、日中双方にとってメリットがあるとの見方を示しました。

人民元と日本円の直接取引は企業の取引コストを削減し、日中間の貿易と投資を拡大するうえで大きな意味があります。日本貿易振興機構の 統計によりますと、2011年の日中間の貿易額は3450億ドルと過去最高を更新しました。中国は3年連続して日本最大の貿易相手国で、日本は中国の4番目の貿易相 手国です。しかし、日中貿易の多くが米ドルで決済されています。アジア開発銀行研究所の統計によると、11年に人民元建てで決済された中国の対日輸出は全体 のわずか0.3%、日本からの輸入では1.7%です。円建て決済の割合はそれよりやや高いですが、それでも中国の対日輸出の2割程度にすぎません。

日中両国の企業は取引時にまず米ドルに両替してから相手国の通貨に両替する必要があり、手続きが面倒であるだけでなく、米連邦準備制度理事会にも手数料を支払わなければなりません。

直接取引は両国の企業の為替リスクと両替コストを減らし、両国間の貿易や投資を促進するだけでなく、円と人民元の国際金融市場における地位を高める役割も 果たすとの見方を示しました。

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