日中韓FTA交渉

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日中韓指導者

日中韓3カ国によるFTA=自由貿易協定の準備会合が21日中国の青島で始まりました。領土をめぐる問題以外の分野では、関係を維持したいという各国の思惑が背景にあるとみられます。

会合は、最近の尖閣諸島や竹島をめぐる問題で、一時は中止も検討されましたが、韓国は日本との経済的なつながりが不可欠な現状もあり、結局、予定通り開催されることになりました。中国も日本とのこれ以上の関係悪化は避けたいとみられることから、各国のこうした思惑が一致したものとみられます。

日本経済産業省によりますと、2011年における中国向けの日本の輸出額は12・9兆円で10年前と比べ3・4倍増となりました。また、韓国へのの輸出も5・3兆円で1・7倍に急増したということです。景気が停滞する欧米への輸出が伸び悩む中、中韓2カ国への輸出は全体の3割に迫り、日本にとっては「成長力の取り込みが不可欠」となっています。

日中韓FTAが発効すれば、自動車や電機、鉄鋼などの輸出が増え、日本のGDP=国内総生産は0・3%程度押し上げられる見通しです。中国に対して、過度な外資規制の緩和や知的財産権の保護を促す効果も期待できるとされています。ただ、韓国は昨年来、国内手続きの難航を理由に3カ国FTAに慎重な姿勢をみせていました。

一方で、中韓2カ国のFTA協議を推進しており、韓国側は「日本より先に中国市場を押さえる」という意思を明確に示していました。また、韓国は日本がFTAを締結していないEU=欧州連合、アメリカともすでにFTAを発効しています。中国・韓国FTAと日中韓の2つのFTA交渉が並行すれば「韓国は中韓を優先する」とみられていましたが、3カ国交渉が予定通り進められています。

こうした中、エコノミストらは「中韓FTAが日中韓FTAより先行すれば、日本の通商戦略は韓国に大きく出遅れることになるだけに、今回の合意をテコに通商戦略の立て直しを急ぐ必要がある」との見方を示しています。

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