朝鮮民主主義人民共和国の「衛星打ち上げ」を巡る問題

朝鮮民主主義人民共和国は12日、多くの国が事実上の弾道ミサイルの発射実験だとして批判していたロケットの打ち上げを実施しました。同国の国営朝鮮中央通信は、「衛星『光明星(Kwangmyongsong)3号』は打ち上げに成功し、予定通り軌道に入った」と発表しました。朝鮮民主主義人民共和国のこの動きは国際社会を驚かせているといえます。

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朝鮮民主主義人民共和国の衛星打ち上げは世論にとって予想外です。というのは、打ち上げの直前、朝鮮民主主義人民共和国が発射を延期するという情報もあったからです。発射前日の11日に、日本や韓国など朝鮮民主主義人民共和国に「特別な関心」を寄せているとされている国々のマスメディアは「北朝鮮がミサイル解体作業を始めた」と報じました。しかし、事実はまったく違っています。

国際社会はショックを受け、朝鮮民主主義人民共和国のこの行動に猛反発しています。国連のほか、中国をはじめ、複数の国は反対声明を出しました。中国外務省の報道官は12日午後の記者会見で、「我々は北朝鮮が国際社会の注目する中、発射を実施したことに遺憾の意を表明する。北朝鮮は国連加盟国として安保理の関連決議を順守する義務がある」と述べ、今年4月の発射の際と比べ、強いトーンで批判しました。

国際社会の反応に対し、朝鮮民主主義人民共和国は打ち上げの成功は自国の科学技術と経済の発展事業に突破口を切り開くものだと主張しています。同国の国連大使は記者団に「発射が成功したことは朝鮮民族にとっては慶事であり、誇りだ」と述べました。

実際、国際社会が懸念していることは分かりやすいのです。これは朝鮮民主主義人民共和国の長距離弾道ミサイル開発ということです。韓国軍関係の専門家は5日、朝鮮民主主義人民共和国の長距離弾道ミサイルの推定射程がアメリカのロサンゼルスに届く1万キロ以上に達するとの見方を示しました。

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また、アメリカシンクタンクの資料を基にした説明によりますと、推定射程6700キロ以上とされる2009年4月発射のミサイル1段目のエンジン燃焼時間は112秒でした。今回と同型の今年4月のミサイルは130秒で、推定射程は1万キロ以上になるとしています。

朝鮮民主主義人民共和国の衛星打ち上げが成功したことに対する同国国民の喜びとは逆に、国際世論は深い懸念を示しています。アナリストらは「これは朝鮮半島での平和のための努力に悪影響を与える」と予想しています。

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