第12回ベトナム共産党全国代表大会の文書草案の新たな点
既にお伝えしましたように、来年、行われる第12回ベトナム共産党全国代表大会に上程される議案の全文が人民各層からの意見集約をする為、9月15日から公開されました。ホーチミン国家政治学院・党歴史研究院元院長のグェン・チョン・フック博士によりますと、今回の議案の複数の新たな点を分析しています。
フック博士によりますと、議案のテーマが「清廉で強固な党建設の強化」という言葉から始まる事は党建設の重要な役割を強調したいのです。というのは、ドイモイ=刷新過程における党建設は要であり、経済発展は中核的な任務であると定めているからです。党建設が順調に進められてこそ、初めてドイモイ=刷新事業は効を奏するということです。
本格的になるドイモイ
第12回党大会に上程される予定の議案は本格的な刷新を進める必要性を強調し、総合的な刷新を行なわなければ発展は遂げられないと指摘しています。また、刷新は中央レベルから末端組織に至るまで展開される必要があります。グエン・チョン・フック博士によりますと、第11回共産党全国代表大会を前にベトナム共産党は2020年までにベトナムを基本的に近代的な工業国へと発展させる目標を設定しましたが、現状をみて、この目標を調整しなければならないとしています。従って、この議案には2020年以降、この目標を達成するため、2020年までに必要な基盤をつくる必要があるというフレーズが盛り込まれています。フック博士は次のように語りました。
(テープ)
「経済発展は必至の課題だと思います。30年間にわたるドイモイ=刷新事業を総括すると、地域と世界諸国と比べ、経済はいまだに貧しく、立ち遅れた状態にあることがわかります。ベトナム経済の規模は小さく、労働効率が低く、天然資源の開発への依存度が高いなどの弱点が存在しています。経済をいかに迅速かつ持続的に発展させるのは私の関心事となっています。これを達成するためには第11回党大会が打ち出した『社会主義を志向する市場経済体制の充実』、『人材育成』、及び『現代的なインフラ整備』といった3つの解決策と連携させ、実施しなければなりません。」
党内の団結・中核的な役割
第12回党大会に上程される議案の冒頭に党内の団結は中核的な役割を果たし、清廉で強固なベトナム共産党の建設は重要な任務だと位置づけられました。フック博士はさらに次のように強調しています。
(テープ)
「党内の団結は全社会の団結と国際社会との団結の礎となると思います。ホーチミン主席は生前、党内の団結に関する立場を明らかにし、党内の民主体制の発揮は団結の維持を左右すると強調しました。ですから、この議案の第11項には社会主義国家の民主体制の発揮を国民の主人公としての権利と連携させ、政治制度の力を発揮するというフレーズが盛り込まれています。私の考えでは党建設に関する第11回共産党中央委員会第4回決議が実施される中で、党内の道徳と政治思想の衰退に歯止めをかけるのは最重要課題です。」
このように語ったフック博士は第12回党大会に上程される議案の充実に対する人民各層の意見集約は必要なことで、民主体制の発揮における進歩であるとの見解を示しました。この集約を通じて、国民は党と国家の事案の解決に貢献する一方、党は国民の声に耳を傾けた上で、これらの意見を研究、総括、吸収しています。