(VOVWORLD) -第13回ベトナム共産党大会の決議では、国を発展させるための 3 つの戦略的突破口の一つとして、情報通信インフラ開発に注力するとともに、国家デジタルトランスフォーメーションの土台作りを進め、デジタル経済・デジタル社会を徐々に発展させるということです。
決議を履行するために、ベトナムの首相は、2022年から2025年期の国家デジタルトランスフォーメーションに奉仕するための国家住民データベースの活用・個人識別番号の発行と電子認証計画、2030年までのビジョンを批准しました。1年間にわたってこの計画を実現してから、デジタル経済は、多くの産業や地方で高い割合を占めています。特に、国家住民データベースは幅広く接続されるようになり、社会経済開発に役立っています。
住民、企業を社会経済開発の目標とする
現在、ハノイ市ロンビエン区にあるドゥックザン総合病院は、ICチップを埋め込んだ身分証明書、または、電子身分証明アプリ「VneID」を活用して、保険診療を行っています。つまり、市民は、紙の医療保険カードを持参しなくても、ICチップを埋め込んだ身分証明書だけで保険診療の登録を済ませるようになっています。
ドゥックザン総合病院で保険診療を受けた市民は次のように語っています。
(テープ)
「以前、保険診療を受けるためには医療保険カードを持参しなければなりませんでした。しかし、現在では、ICチップ付き身分証明書だけでも保険診療の登録を簡単に済まさせるようになります。とても便利です」
一方、ベトナム社会保険機関情報通信センターのグエン・ホアイ・フォン副センター長は「国家住民データベースの活用・個人識別番号の発行と電子認証計画を実現することは、デジタルトランスフォーメーションの実施にとって重要なものであり、多くのユーティリティやサービスを生み出し、市民や企業に対し多くの利便性をもたらした」と確認し、次のように語りました。
(テープ)
「社会保険部門では、年平均約3億件の電子公共サービスが利用されており、そのうちおよそ2億件が診療治療のためのアクセスです。そのうちの半分で 電子ID アカウントを利用したら、移動、行政手続きにかかる費用が節約されます。一方、国家機関でも、コストが削減されるほか、利便性と透明性が確保され、取り扱い時間が大幅に短縮されます」
国家公共サービスポータルサイトの開設により、電子パスポートの発行、運転免許証の書き換え、電力購買契約の変更、社会保険通帳・医療保険カードの再発行などの手続きは電子化されるようになりました。従って、市民のコストと移動時間が節約され、 紙の書類を保存、保管する必要もありません。
ラム副総裁(dangcongsan.vn撮影) |
ベトナム電力グループのボー・クアン・ラム副総裁は次のように語っています。
(テープ)
「これは電力サービスの提供プロセスに役立っています。私たちは各地方の行政や、銀行、仲介組織などと連携して、市民が国家公共サービスポータルサイトを利用できるような利便性を作り出しました」
デジタルトランスフォーメーションの成功のための土台作り
現時点で、国家住民データベースは、13の省庁・部局、1社の国営企業、3社の情報通信企業、および63の地方と接続しています。今年6月現在、国家公共サービスポータルで処理された同期ステータスの書類は 2 億 1200 万件あまりあり、そのうちの 約1800 万件の書類がオンラインによって申告されたものです。
第13回党大会決議は、ベトナムが迅速かつ持続可能な開発を進めるためには、デジタルトランスフォーメーションは3本柱の一つであり、突破口でもあることを認定しました。
国のDX事業のこの6か月間の展開状況を総括する全国会議の様子(VGP撮影) |
今年6月にオンライン形式で行われた国のデジタルトランスフォーメーション事業のこの6か月間の展開状況を総括する全国会議で発言に立ったファム・ミン・チン首相は次のように語りました。
(テープ)
「デジタルトランスフォーメーション事業にあらゆるリソース、政治システム、市民、企業の参加をもとめる必要があります。この事業の実施においてさらに突破口を作り出さなければなりません」
国家デジタルトランスフォーメーションは、デジタル政府、デジタル経済、デジタル社会の構築に大きく貢献しています。その中で、2022年から2025年期の国家デジタルトランスフォーメーションに奉仕するための国家住民データベースの活用・個人識別番号の発行と電子認証計画を成功のうちに展開することは、第13回党大会決議の履行に向けた重要な前提となっています。