グエン・タン・ズン首相夫妻

  3日、ベトナムのグエン・タン・ズン首相率いるベトナム代表団はカンボジアの首都プノンペンで開催されている第20回ASEAN東南アジア諸国連合首脳会議に臨みました。会議でベトナムはASEANの積極的で責任感を持つ加盟国としてASEANの利益のために活躍し、また、2015年をめどに、ASEAN共同体をつくる段取りを加速させる決意を表明します。

　第20回ASEAN首脳会議はASEAN共同体づくりとASEAN連携が進められ、パートナーとの関係が強化される中で行われました。「ASEAN・一つの共同体・一つの運命」と題する今回の会議ではASEAN共同体づくり、加盟諸国の協力やASEAN内の連携の強化、ASEANとパートナーとの協力の促進、地域におけるASEANの中核的な役割の確保、及びともに関心を寄せている国際問題について討議が行われています。

ベトナムのグエン・タン・ズン首相は会議への出席に際し、ベトナムはASEANの積極的で更に責任感を持つ加盟国として、ASEANの利益のために活躍することを強調します。ベトナムは強固で、緊密に連携し、団結したASEANづくりを進め、地域の平和、安定、協力、発展を一層強化する主張を固めました。ASEANに加盟してからこの１７年、ベトナムはASEAN協力を独立、自主、多様化、全方位、地域と国際社会に主体的に参入するという党と国家の対外路線の重要な一部分と見做しています。

　先ごろ、行われたベトナム共産党第１１回全国代表大会が発表した決議は「ベトナムは近隣諸国との友好と協力関係を強化し、強固なASEAN共同体作りに積極的かつ主体的に参加する。また、ベトナムは収めた成果を発揮し、地域と国際社会で重要な役割を果たすとともに、強固で、緊密に連携し、団結したASEANづくりに積極的に貢献しつつあり、平和、安定、協力、繁栄といった共通の目的に向けて、力を尽くす」と強調しました。

　これに基づき、今回の会議で、ベトナムはASEAN、中でもベトナムの利益のために活躍し、ベトナムと重要なパートナーとの関係の強化に取り組みます。また、ASEAN共同体作りを加速する決意への支持を示します。ベトナム・ASEAN友好協会のレ・コン・フン（Le Cong Phung）会長は次のように語りました。(テープ)

「ASEANの連携は政治、経済面だけでなく、加盟国同士の文化的調和にも示されています。ベトナムとASEAN加盟諸国との相互理解をいかに強化し、政治、経済、文化、及び日常生活での調和が図られたASEAN共同体をいかにして作るかは重要な課題となっています。そうして初めて、ASEAN が強固な共同体になり、地域と国際社会での発言力を高めるのです。」

フン会長はこのように語りました。

　また、会議で、ベトナムはASEANのインフラ整備プロジェクト、貿易の自由化に関する合意書、商取引やサービスの促進、加盟諸国の発展の格差是正などの促進への支持を示します。先ほどのレ・コン・フン氏は次のように述べました。(テープ)

「経済がASEAN協力の第一の目標に位置づけられています。現在、重要なことはASEANが合意した構想を展開することです。先進国は発展途上国を援助する必要があります。また、発展途上国は地域諸国並みの経済発展を遂げるため、力を尽くさなければなりません。ベトナムはASEAN加盟諸国との数多くの協力計画を効果的に実施しつつあります。ベトナム・ASEAN友好協会は企業の連携を強化する任務を果たし、各位に利益をもたらすとともに、ASEAN内の連携の強化に寄与しています。」 フン氏はこのように述べました。

　議事日程によりますと、会議で、プノンペン宣言をはじめ、2015年までに麻薬のないASEANづくりに関する声明、ASEAN設立45周年記念に関するASEAN議長の声明などが採択されます。