米下院によるベトナム人権法案の採択に反発

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カオダイ(CaoDai)教の礼拝所

先頃、アメリカ下院外交委員会は、いわゆる2013年版の「ベトナム人権法案HR 1897」を採択しました。この法案は人権擁護と民主主義を人道目的以外の援助と結びつけており、アメリカ政府に対しベトナムの人権と信仰の自由問題への、より強硬な姿勢を示すよう呼びかけたことで、ベトナムと国際世論の不満を招いております。

ベトナム人権法案は、アメリカ共和党のエド・ロイス議員とクリス・スミス議員によって提唱され、ベトナム人権状況の改善に役立つと同時に、ベトナムにおける信仰の自由、言論の自由、及び民主権の尊重促進に寄与すると期待されています。彼らは「ベトナムでは深刻な、人権侵害行為が続いている」、「ベトナムは引き続き世界で信仰の自由に違反している国々の一つである」。などと訴えました。しかし、これらの議員はベトナムへ足を運んだことがなかったそうです。同法案の作成のために、彼らは、ベトナムの法律に違反したことがある、ベトナム人を含む、多くの人の陳述を行ってきました。ベトナムに対し偏見を持つ幾人かの人々の意見に従って、ベトナムにおける信仰の自由、人権の自由を正しく反映しませんでした。

これまでにベトナム人権問題に悪意を持つ、エド・ロイス議員とクリス・スミス議員が、ベトナム人権の自由に欠ける点に触れた際、ベトナムが民事、政治、経済、文化、社会など多くの分野での人権の確保における様々な成果を収めてきた、という現状を故意に無視したようです。2006年に、アメリカ国務省はベトナムを宗教の自由に関する「特に懸念のある国」の指定から外した、と発表しました。また、今年5月20日にアメリカ国務省は「世界各国の宗教の自由」に関する年次報告書を発表し、ベトナムでの状況が改善した、との見方を示しました。

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カオダイ(CaoDai)教の礼拝所

現時点で、ベトナムでは、各宗教の信徒の数はおよそ2千万人にのぼり、そのうちの聖職者と修行者の数は5万6125人に達しています。また、全国ではお寺や僧院などの数は1万4千043箇所、キリスト教の教会や礼拝所は6.003箇所、プロテスタントの教会や礼拝所はおよそ500箇所、ベトナム独自に発展した新興宗教のカオダイ(CaoDai)教の礼拝所は1.284箇所、ホアハオ(HoaHao)教のお寺、会館は522箇所、イスラム教のモスクの数は77箇所にのぼっています。

このベトナム人権法案は、ベトナムの人権と宗教の状況を歪曲した情報を持っており、ベトナムへの人権問題と非人道援助問題を結び付け、アメリカ政府に対しベトナムのTPP環太平洋パートナーシップ協定への参加に関する交渉過程に人権の条件を付けるよう要求しており、これに対し世論の不満を強めています。

アメリカ国内でさえも、アメリカ下院外交委員会アジア・太平洋小委員会のエニ・ファレオマヴァエガ小委員長は、報道コミュニケを発表し、この法案に反発しました。同報道コミュニケは

「いわゆる2013年版の「ベトナム人権法案」は、ベトナムに対し偏見を持つ幾人かのベトナム系アメリカ人の見方を基礎としており、ベトナムの状況を正確に反映しないものである。ベトナムの指導部は、つねにアメリカとベトナムとの関係の強化と人権問題の改善に取り組むことを確約している。実際、ベトナムは、法律システムの充実と経済社会、文化の発展を通じて、人権問題の改善に努力してきた」と強調しました。

実際、ベトナムとアメリカの指導者らは、両国関係の強化と、両国間の人権問題を巡る相互理解に尽力しています。これまでに、ベトナムとアメリカとの人権対話は常時、効果的に行なわれています。両国は、人道活動、ベトナムの枯葉剤被害者への支援活動、ベトナム戦争中の行方不明となったアメリカ兵の捜索などにおいて絶え間なく協力してきました。

アメリカ下院外交委員会がベトナム人権法案を採択したことは、ベトナムとアメリカ関係の強化プロセスに役に立たないことは明らかです。ベトナムとアメリカとの関係の流れに逆行した、誤まった行為は意義のない行動に過ぎないことでしょう。

 

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