米国務長官のアジア歴訪について


アメリカのケリー国務長官はアジア4か国を訪問し、国際問題や、二国間関係、多国間関係などについて意見を交わす見通しです。今回の歴訪はアメリカの「アジア外交」という対外政策を示すものと見られています。


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ケリー長官(写真:Laodong)

13日、ケリー長官は18日までの日程で、韓国、中国、インドネシア、それにUAE=アラブ首長国連邦の順に4か国歴訪を開始しました。

国別の主な議題


韓国では、朝鮮民主主義人民共和国が米韓共同軍事演習などに強固な姿勢を示しているなか、緊密な連携を確認するほか、日米韓3か国の協力が重要だとして、日本との関係改善に取り組むよう促すものとみられます。

中国では、朝鮮半島情勢について意見を交わすほか、中国が平和的に台頭し、世界のさまざまな課題に対し前向きな役割を果たすことを歓迎するというアメリカ政府のメッセージを伝えたいとしています。また、ベトナム東部海域いわゆる南シナ海問題などで周辺国との緊張緩和を図るよう求める意向です。

ジャカルタでは、ケリー長官は全地球的な問題の解決に対するインドネシアの重要な役割を再確認し、気候変動、安全保障、人権などの分野において協力を強化していきたい意向を示す予定です。また、ケリー長官はアメリカ・インドネシア政府合同委員会会議に出席するほか、ASEAN事務局長と会見する計画です。

一方、今回の歴訪の最後の訪問先であるUAEに対しては二国間関係や地域諸国との関係などが主要議題となる見通しです。

アメリカの「アジア外交」の試練


ケリー長官が今回中国にどのようなメッセージを送るかということは世論の注目を集めています。アメリカは、ADIZ=東シナ海に防空識別圏を設定したり、ベトナム東部海域での外国漁船の操業を規制するなど、海洋の領有権を主張する中国の動きに懸念を強めています。

アメリカ政府高官は匿名を条件に、「アジア太平洋地域の空と海の自由に対するアメリカのコミットメントは明確だ」と指摘し、「アメリカは同地域の国々がルールに則って行動することを望んでおり、それがわれわれの軍事面、その他政策の立案する際の原則になる」と述べました。

アメリカはこのところ、中国が東シナ海の広い範囲に防空識別圏を設定したことを「間違った方向だ」と非難したほか、ベトナム東部海域のほぼ全域の管轄権を主張していることについて、国際法と相いれないものだと指摘するなど、中国に対する批判を強めています。

ケリー長官としては、今回の訪問を通じて、中国の海洋進出が周辺国との対立を引き起こすなど平和的ではないとして、自制を促すねらいもあるものとみられますが、結果が出るかが焦点となります。

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