11月6日投開票のアメリカ大統領選挙を前にした大統領候補同士の2度目のテレビ討論会は16日行われました。同国の調査会社ニールセンによりますと、今回のテレビ討論会の視聴者が6560万人に上りました。今回の討論会も1時間半行われ、12局が放映しました。視聴者数は3日の第1回討論会の6720万人をやや下回ったということです。しかし、その激しさは増したといえます。
直接対決第2ラウンドは、両者一歩も譲らない白熱の展開になりました。前回の討論会で劣勢だったオバマ大統領は、挽回を目指し、終始攻勢をかけ続け、討論会を優位に進めました。前回、1回目の討論会で守りに回り、精彩を欠いたオバマ大統領は「ロムニー氏が雇用創出のためとうたっている5つの計画は実は1つのことを言っているに過ぎず、それは一部の富裕層を優遇し続けるということだ。過去10年以上続いた哲学で、これが中間層を傷つけてきた。私たちはこの4年間でこの混乱から抜け出すため戦ってきた」と述べ、ロムニー候補を激しく批判しました。
一方、共和党のロムニー候補は「私は25年間、ビジネスに携わってきた。オリンピックの組織委員長として、マサチューセッツ州の知事として、財政を立て直してみせた。オバマ大統領は財政赤字を半減させる代わりにこの4年間で倍増させた」と述べて、みずからの手腕をアピールし、オバマ大統領のこの4年間の経済政策を改めて批判しました。
討論会直後の世論調査では、オバマ大統領が勝利したとの回答が46%に対し、ロムニー氏は39%とするものもありました。17日朝のアメリカの新聞各紙は、1面で討論会について伝えました。「USAToday」では、「より積極的だったオバマ大統領は、ロムニー氏とルールなき論争を繰り広げた」との見出しで伝えました。また、今回、オバマ大統領の勝利を印象づけたのは9月にリビアで起きたアメリカ総領事館襲撃事件についてのやり取りだったということです。
さらに、17日に公表されたロイター/イプソスの世論調査によりますと、オバマ大統領に軍配が上がりました。調査は全国でオンラインで行われ、48%がオバマ大統領が討論会で勝利したと回答しました。ロムニー氏勝利との回答は33%にとどまり、オバマ大統領が15ポイント引き離す格好となりました。