
朝鮮民主主義人民共和国と韓国の兵士
朝鮮民主主義人民共和国は、アメリカと韓国の合同軍事演習が本格化した11日以降、朝鮮戦争の休戦協定などを無効にすると一方的に宣言しており、さらなる挑発に踏み切り、朝鮮半島の緊張が一層高まることが懸念されています。
この緊張情勢が始まったきっかけは、朝鮮半島周辺では、アメリカと韓国両軍が今月1日から2カ月間の予定で実施中の合同機動演習「フォール・イーグル」に加え、11日には合同軍事演習「キー・リゾルブ」を開始したことです。朝鮮民主主義人民共和国の朝鮮中央通信は11日、米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」が始まったことを受け、「国中が最高司令官同志の命令だけを待っている。戦時態勢にある」とし、党や勤労団体が一斉に戦闘動員態勢に入ったと報じました。
朝鮮民主主義人民共和国は11日、朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」を通じて、1953年の休戦協定は「完全に終った」とし、「休戦協定が決裂した以上、この地でどのような事態が起きるかは誰も予測できない」と述べました。朝鮮民主主義人民共和国の祖国平和統一委員会は11日付でスポークスマンの声明を出し、合同軍事演習が始まったことを「共和国に対する宣戦布告」と反発しました。声明は演習を「今までにない最も危険千万な核戦争火遊びであり、最も露骨な挑発行為だ」と非難しました。同時に、朝鮮民主主義人民共和国は予告通り平壌とソウル間の直通電話を遮断しました。
さらに、朝鮮民主主義人民共和国のキム・ジョンウン第1書記は、11日、朝鮮半島西側の黄海で、南北海上の境界線の西端に位置する島の砲兵部隊を視察しました。
この際、キム第1書記は部隊の指揮官に対し、この島と境界線を挟んで対じしている韓国のペンニョン島への攻撃手順などを具体的に指示したうえで、「われわれの砲撃能力は非常に高く、ペンニョン島を3重、4重に攻撃し、火の海にすることができる」と強調したということです。
朝鮮民主主義人民共和国が朝鮮戦争の休戦協定が白紙になったと一方的に宣言したことについて、国連のスポークスマンは11日、「協定は、一方的に離脱することを許しておらず、今も有効だ」と述べて、朝鮮民主主義人民共和国に対して協定を尊重するよう呼びかけました。
朝鮮民主主義人民共和国が緊張を高めていることを受けて、韓国のパク・クネ大統領は、新政権が発足してから初めての閣議を開きました。 そして、朝鮮民主主義人民共和国が朝鮮戦争の休戦協定や南北間の不可侵に関する合意を無効にすると宣言し、全土で「戦闘動員態勢」という警戒態勢に入っていることを踏まえ、「北は連日、戦争の脅しをかけており、状況は危機的だ」と述べて強い懸念を示し、挑発への対応に万全を期すよう指示しました。
このような中、アメリカは同盟国や友好国とともに朝鮮民主主義人民共和国に対する単独および国際的な追加制裁を引き続き適用しています。
朝鮮半島の情勢が緊迫に続く中、世論は朝鮮半島における戦争勃発の恐れを懸念しています。