英国のEU離脱を巡る新たな進展

(VOVWORLD) -イギリスとEU=欧州連合は13日、1年余りにおよぶ交渉の末、イギリスのEU離脱に関する合意草案について合意しました。これは、イギリスとEUとの交渉過程における重要な転換点であると見なされています。

イギリスとEUは離脱交渉で、残る課題となっているアイルランドと北アイルランドの国境管理の在り方などをめぐって、今週、双方が大詰めの話し合いを続けていました。

合意当初
こうした中、イギリスの首相官邸は13日午後、声明を発表し、離脱交渉は実務レベルで合意に達したと発表しました。そして、14日午後にメイ首相が緊急の閣議を開き、内容を閣僚に説明するとしています。ただ、メイ首相の離脱交渉の方針については、離脱派、残留派の双方から不満が出ており、地元メディアは13日夜、首相が閣僚を1人ずつ官邸に招いて説得にあたっていると報じています。

閣議で承認されても、正式な離脱協定となるには、今月中にも開かれる緊急のEU首脳会議で承認され、さらに、イギリスの議会でも承認される必要があります。

今後の困難

ただ、イギリス国内では合意内容に強い不満を示し、辞任を検討中の閣僚もいると伝えられています。たとえ閣議を通過したとしても、次は議会での審議が待ち受けています。メイ首相の率いる与党・保守党は下院の過半数を割り込んでいて、草案が可決されるかどうかは不透明です。

また、EUのバルニエ首席交渉官は「交渉は進展しているが、まだ終わっていない」との声明を出しています。また、アイルランド政府は交渉は「まだ続いており、まとまったわけではない」と述べました。ボリス・ジョンソン前外相やジェイコブ・リース=モグ下院議員など保守党の離脱推進派は、合意草案の概要と報じられた内容に対し、イギリスをEUの支配下に置くものだとしてただちに批判しました。

一方、クリス・グレイリング運輸相は、14日に内閣が草案を承認するまでは「少し落ち着くべき」だと訴えたということです。

イギリスとEUの交渉では離脱後、唯一の地上の境界線となるアイルランドとイギリスの北アイルランドとの間での人や物の行き来をどう扱うかが最後まで残った問題となっていて、この点がどう表現されているかが焦点です。

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