(VOVWORLD) -現在、ベトナムは多くのFTA=自由貿易協定を締結しました。その中で、労働に関する条項はこれらの協定の重要な一部です。FTAにおけるこれらの条項を履行するため、ベトナムは労働法の改正を行う傍ら、労働組合の改革を進める必要があります。
FTAを締結する際、労働に関連する規則を遵守するのは当たり前のことです。世界で、1995年に労働に関する公約が盛り込まれたFTAは3件だけでしたが、2016年には、77件になりました。
労働組合に対する大きな試練
ベトナムがCPTPP=包括的、及び先進的な環太平洋経済連携協定を含め、次世代FTAを締結することにより、複数の労働組合が共に存在するという規制がベトナムで初めて導入されました。そのため、ベトナム労働組合は各企業内の独立した労働組合と競争しなければなりません。
ベトナム労働組合は政治システムとベトナム祖国戦線の一員であることから、労働者の権利を保護する傍ら、政治的社会的任務も果たさなければなりません。しかし、独立した労働組合は政治面における義務や責任はなく、労働者の権利を集中的に保護します。そのため、ベトナム労働組合は運営の内容と形式を改革しなければ、独立した労働組合との競争に多くの困難に直面することが懸念されています。
ベトナム労働組合の改革の重要性
次世代FTAによりますと、ベトナムはこれらのFTAにおける公約に適合させるため、一定の時間が与えられます。CPTPPの場合、その時間は5年です。そのため、この期間内に、各レベルの労働組合は認識と考え、運営活動の内容と形式を精力的に改革しなければなりません。労働総連盟のチャン・タイン・ハイ( Tran Thanh Hai) 副会長は次のように語りました。
(テープ)
「労働組合は絶え間なく事業活動を完備させ、労働者の代表者としての使命を果たし、労働者によりよい生活をもたらす必要があります。労働組合の活動に携わっている幹部は責任感と熱意がある他、知恵、政治的資質などを兼ね備えていなければなりません」
去る6月に、ベトナムはILO=国際労働機関の1949年の団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する条約(第98号条約)を批准すると共に、労働法と労働組合法を改正しています。労働総連盟所属労働関係委員会のレ・ディン・クアン( Le Dinh Quang) 副委員長は次のように語りました。
(テープ)
「私たちは2012年の労働組合法の改正に、現在の情勢に見合うための改正を集中的に行いました。第98号条約に重要な条項の一つは労働組合を独立させることと、労働組合に対する使用者の干渉から回避させるということです。」
ベトナムが労働と労働組合に関する公約の履行はベトナム労働組合にとって試練となっていますが、ベトナムの経済面での利益の確保にとって重要な要素となることでしょう。