(VOVWORLD) - ベトナムは今後、貧困解消にあらゆるリソースを活用し、独立100周年にあたる2045年までに貧困を完全に撲滅することを目指しています。
11日、ハノイで、行われた2016年から2020年期の貧困解消事業を総括する全国オンライン会議で、グエン・スアン・フック首相は「党と国家は常に経済発展を社会保障、環境保護と連携させ、その中で貧困解消と社会保障を重視するという立場を堅持している」と強調しました。
否定できない成果
写真:nhandan.com.vn
|
持続可能な貧困解消国家目標プログラムが始まった2016年、ベトナムの貧困世帯の割合は4・25%でしたが、今はおよそ2・75%に減少しました。つまり、5年が経った現在、およそ600万人が貧困状態から抜け出したということです。また、貧困常態にある村の数は半減しました。この5年間、貧困解消国家目標プログラムの各プロジェクトに充てられた金額は40億ドルを超え、その中の半分以上は国家予算に計上されました。国はいまだ多くの困難に直面しているものの、国会、政府は貧困解消事業に対する予算額を2倍に増やしました。予算の21%が社会保障に充てられ、ASEAN諸国の中で最高となりました。貧しい人々や少数民族出身の人々はすべて医療保険に無料で加入しています。新型コロナウイルス感染症が流行している背景の中で、困難な状況にある人およそ1300万人は補助を受けました。
貧困解消で収めてきたベトナムの成果は全政治システム、中央から地方までの各レベルの行政当局、国内外に住んでいるベトナム人の努力によるものです。
貧困のないベトナムへ向けて
ベトナムは戦争による後遺症を被る一方、気候変動による深刻な影響を受けていることから、貧困解消が大きな試練となっています。フック首相は次のように語りました。
(テープ)
「2021年から2025年期の持続可能な貧困解消と社会保障、2030年までのビジョンを実施し、2015年から2030年期の持続可能な開発のための国連の諸目標を達成するため、ベトナムは次の主要な任務を精力的に遂行する決意です。第1、2030年までに持続可能な貧困解消と社会保障に関する政策を研究し、党中央委員会、政治局、書記局に関連の決議、指示の発行を提案すること。第2、国会に包括的な貧困解消の推進に関する決議の発行や2021年から2025年期の持続可能な貧困解消と社会保障国家目標プログラムへの投資、「貧困のないベトナム」へ向けての2030年までの方向、2045年までのビジョンの承認を提出することです。」
これらの目標を具体化させるため、ベトナムは多次元貧困状態にある人々、高齢者、少数民族の人々の補助政策を整備する方針です。また、「新農村作り運動」と「持続可能な貧困解消」に関する国家目標プログラムを進める傍ら、少数民族居住地や山間部の援助に関する国家目標プログラムを実施し、困難な状況にある地域の経済社会インフラ整備に集中する計画です。フック首相は次のように語りました。
(テープ)
「貧しい人々に対する責任を負うため、全国のそれぞれの村、地区、集落に対して創意工夫を凝らし、地元に見合うような貧困解消モデルを設立・展開するよう求めます。持続可能な貧困解消を行うためには、子供をはじめ、人材に特別な関心を寄せなければなりません。余裕がある地方は困難を抱えている村を支援する必要があります。」
このように語ったフック首相は「持続可能な発展を遂げるため、ほとんどの国民を貧困から脱出させることを最も重要な目標に位置づける」と強調しました。