2014年の日越関係


2014年も間もなく終わります。この機に、今年における日越友好協力関係の主な動きをまとめてお伝えします。

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1)サン国家主席による日本国賓訪問

今年3月16日から19日にかけて、チュオン・タン・サン国家主席は国賓として日本を訪問しました。ベトナム国家主席が日本を訪問するのは、両国の国交が樹立されて以来、2回目となっています。この訪問は両国関係に新しい原動力を作り出したと評価されています。

 

2)日越広範な戦略的パートナーシップ

サン主席のの訪問に当たり、ベトナムと日本は、両国の関係を「アジアにおける平和と繁栄のための広範な戦略的パートナーシップ」に格上げすることを決定しました。両国はその新しい関係を促進するために、様々な活動を展開しています。中でも、日本の外務大臣や農林水産大臣などがベトナムを訪問し、ベトナム側と協力強化策などを討議したことがあります。また、国防や、経済、文化、観光、人材開発などあらゆる分野での協力だけでなく、政策対話も強化しました。

 

3)ベトナム向け日本企業の投資の増加

2014年、ベトナムは、日本企業からの投資を誘致するために、全国で活動中の日系企業をサポートする機関「ジャパンデスク」を設立することをはじめ、様々な措置を取っています。両国は日越共同イニシアティブ第5フェーズの実施も開始させた。こうした中、日本の中小企業がベトナムに対する投資を強化しています。計画投資省所属外国投資局の統計によりますと、今年11月末まで、日本からの新規FDI=直接投資プロジェクトが272件となっており、これにより、新規投資額と増資額があわせて17億ドルに達しているということです。日系企業が注目している分野は繊維製品や、情報技術などです。

 

4)ODAプロジェクトにおける汚職防止対策へ向けての政府間の協力強化

JTC=日本交通技術株式会社がODA=政府開発援助プロジェクトを請け負う為に、ベトナム鉄道部門の幹部への贈賄を認めたという3月の汚職事件が発生してから、ベトナムと日本は、その防止対策で協力を強化しています。特に、ベトナムは、管理機関が消極的な兆を発見した場合、入札過程に介入することを許可するという方向に沿って入札法を改正したり、違反行為を厳罰するなど断固とした措置を取っています。その結果、7月に、日本政府はベトナム向けの新規ODAプロジェクトを再開しました。現在も日本はベトナムの最大ODA供与国となっています。

 

5)農業分野における協力促進

2014年に、農業協力は日越関係の目玉となっています。6月25日から27日にかけて、日本農林水産大臣は、農業協力や、ベトナム産農産物輸入の促進などのために、ベトナムを訪問しました。また、日本はベトナムにマグロ水揚げ・保管技術を転換しました。これにより、ベトナムのマグロが日本市場に輸出されるようになりました。

さらに、農産物生産経営に従事する多くの日本企業がベトナムに進出しました。

 

6)人材育成における連携

人材育成も重視されています。ニントゥアン原子力発電所2号向けの幹部・技術者訓練コースや、ベトナムの公務員向けのJDS=人材育成支援無償事業などのプログラムが展開されました。7月21日に、グエン·タン·ズン首相は、日越大学の設立プロジェクトを承認しました。日越大学はベトナムと日本の各大学と連携し、およそ6000人規模の大学教育と博士・修士課程教育を行う予定です。

 

7)日本に派遣差遣される研修生の増加

今年に、ベトナム人研修生およそ1万8千人が日本に派遣されました。これは過去最高です。ベトナム人研修生は主に、繊維や、電子製品、機械製造、建設などの分野で働いています。また、日本はベトナム人看護士も受け入れています。12月15日まで、労働傷病軍人社会事業省所属海外労務管理局は3回にわたり、日本に派遣されるベトナム人看護士向けの日本語教育クラスを開きました。これにより、およそ500人の看護士が日本語教育を受けました。

 

8)地方間関係の発展

2014年に、両国の各地方間の協力活動が活発に行われています。福岡県や、神奈川県、茨城県、埼玉県などの代表団はベトナムを訪問し、ベトナムの各地方との協力チャンスを探りました。一方、ホーチミン市やナムディン省、ハーナム省などベトナムの各地方の代表団も日本を訪れ、日本の各地方との協力促進を図っています。これにより、多くの協力合意書や、覚書が締結されました。

 

9)両国間の観光客の誘致

2014年に、ハノイ・羽田や、ダナン・成田など、ベトナムの大都市と日本の大都市を結ぶ多くの直行便が就航されました。これは両国間の観光協力の促進に寄与しています。今年11月まで、ベトナムを訪れた日本人観光客の数は59万人に達し、前年同じ時期と比べ、7パーセント増となりました。9月末、日本は、ベトナムや、インドネシア、フィリピンを対象にビザ発給制度を緩和しました。これは日本を訪れるベトナム人観光客の増加に寄与するものと期待されています。

 

10)映画や、テレビ・ラジオ放送分野での協力

「パートナー」というドラマの成功に次いで、ベトナムと日本の映画界は協力を促進しています。11月30日、ハノイにあるこの日本語放送本部で、初の日越合作映画「ベトナムの風に吹かれて」の撮影が始りました。監督は大森一樹さん、主演は松坂慶子さんが務めます。また、VTVや、VOV、NHK、TBSなど両国のテレビ局も、番組制作・交換などで協力を進めています。

 

 

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