こうした中、クアンニン省は先ごろ、ベトナム有数のIT企業であるFPTグループと戦略的協力に合意しました。人材育成や技術投資の誘致において、同グループの知見とネットワークの活用が期待されています。FPTクアンニン代表のグエン・ズイ・フオック氏は、若手企業や有望なスタートアップの支援が重要な役割だと述べています。

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「今後、クアンニン省で複数の一貫教育校を開設するとともに、FPTのエコシステムに属する投資家にも参画を呼びかけます。地域に貢献し、経験を共有しながら、地元企業が迅速かつ的確に成長できるよう支援していきます」

クアンニン省で開催された第7回全国スタートアップ・イノベーションフォーラムは、起業・革新企業がつながり、成長の芽を育む機会となった（写真：Trường Giang/VOV-Đông Bắc）

クアンニン省は、行政、研究者、企業、投資家、国際機関の緊密な連携こそが、資源を結集しイノベーションを加速させる鍵だと位置づけています。近年の政策変更、とりわけスタートアップ支援に特化した施策は、起業家コミュニティからも高い関心を集めています。

クアンニン投資・スタートアップクラブのファム・クアン・トゥン会長によりますと、クラブでは創造的な発想を広げ、経営力を高めるため「スタートアップ・カフェ」イベントを定期的に開催しています。一方で、創業企業には創造空間や専門家ネットワーク、資金面の優遇、そして公平な成長機会がなお求められているといいます。

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「多くのスタートアップが工業団地や産業クラスターを支え、大手企業向けサービスも提供しています。省は、物流などのサプライチェーンに参画できるよう、用地やインフラを整備する方針です。これは大きな機会であり、私たちも省の取り組みとともに歩んでまいります」

クアンニン投資・スタートアップクラブが、若手企業コミュニティの連携を目的に定期開催する「スタートアップ・カフェ」セッション（写真：Trường Giang/VOV-Đông Bắc）

さらにクアンニン省は、2030年までの創造的スタートアップ推進運動を打ち出し、観光・スマートサービス、グリーン産業、物流、スマートシティといった強みのある分野で、インキュベーションやメンタリング、イノベーション連携プログラムを展開しています。企業育成拠点の形成や資源連携、アイデア創出を進める重要な基盤となっています。

クアンニン省人民委員会のブー・ヴァン・ジエン常任副委員長は、科学技術とイノベーション関連プロジェクトへの資源配分を優先し、2025年から本格的に着手して、2026～2030年期の成長につなげる考えを示しました。

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「省は引き続き、科学技術・イノベーション分野に重点的に資源を投入します。シード資金の仕組みを整え、民間投資ファンドや大手企業がスタートアップを支援する体制を促進します。また、現行法の範囲で、革新的製品を対象とした公共調達の試行も進めます」

クアンニン省は、2025年上半期のGRDP域内総生産が二桁成長を記録し、通年でも14％以上を目標とするなど、堅調な成長基盤を有しています。投資環境の改善や新たな支援策は、デジタル経済やグリーン経済分野を中心に、地域発スタートアップの大きな追い風となりそうです。

明確なロードマップのもと、行政、企業、起業家コミュニティが一体となって取り組むことで、クアンニン省は先進的なイノベーション・エコシステムを着実に築き、新たな発展段階へと歩みを進めています。