(VOVWORLD) -最近、ハノイで、農業農村開発省はVECAP =2035年までのベトナムのゾウ保護行動計画と2050年のビジョンを発表しました。
これはゾウの保護に向けた取り組みにおける重要な節目であり、今後、ベトナムに生息しているゾウの生命と持続可能な開発を目指す政策の策定と共同体の参加を強化するものとなります。
1980年代に、ベトナムで発見された野生ゾウの数は2千頭にのぼりましたが、現在、その数は200頭に減っています。その減少は生物多様性と生態系にマイナスの影響を与えています。ベトナムはゾウを守るため、2035年までのベトナムのゾウ保護行動計画と2050年のビジョンを含め、多くの政策を発布しました。これは農業農村開発省林業局とHSI=ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナルとの協力の賜物とされています。
VECAP 2022は、ゾウと人間コミュニティとの調和のとれた共存を促進しながら、ベトナムにおけるゾウの数を保護し、発展させるため、野生ゾウの保護に向けた33の解決策と行動、および飼育されているゾウの保護に向けた21の解決策と行動を提案しています。長期的な目標には、保護区の拡大、密猟対策の強化、地元の経済を発展しながら、ゾウの保護を支援するためのエコツーリズムの発展が含まれます。農業農村開発省所属林業局のドアン・ホアイ・ナム副局長は次のように語りました。
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「私たちは世界の専門家と管理者、科学者など共同体の意見集約を基礎に、2035年までのベトナムのゾウ保護行動計画と2050年のビジョンを作成しました。この行動計画が効果的に実施されることを望んでいます」
一方、野生動物に対する国際諸組織は2035年までのベトナムのゾウ保護行動計画と2050年のビジョンの発表に対するベトナムの努力を高く評価しています。ベトナム駐在HISの代表であるタム・ホン・フォン女史は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナム政府はゾウの保護活動に深い関心を寄せています。ベトナムは野生ゾウが残っているアジアの13か国の一つです。私たちはゾウの保護に対するベトナム政府の取り組みを高く評価しています」
野生ゾウと飼育しているゾウがたくさんいる中部高原地帯テイグエン地方にあるダクラク省はゾウの保護に多くの成果を収めています。同省はゾウに優しい観光活動を行っています。ダクラク省のゾウ保護センターのグエン・コン・チュンセンター長は次のように語りました。
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「ダクラク省は、2023 年~ 2026 年まで、ゾウに乗る観光モデルをゾウに優しい観光モデルに転換するため、アニマルズ アジアの支援を受けています。ゾウに優しい観光に参加する際、ゾウは 1 頭ずつ森に放されました。象使いたちは象の後をついて歩き、ゾウがどのように飲食しているか、危険にさらされていないかを監視します。森にいる間、ゾウは好きな木を食べることができます」
2035年までのベトナムのゾウ保護行動計画と2050年のビジョンはゾウの未来を確保するための戦略の実施に対するベトナムの公約を示していると言えることでしょう。