持続的かつ迅速な発展のための社会安全保障システムの完備
(VOVWORLD) - ドイモイ刷新事業が始まってからこの30年以上に、ベトナムの党と政府は常に、社会安全保障を優先課題とみなし、国民の生活改善を図っています。ベトナムの努力は国連を含め国際社会から好評を得ています。中でも、貧困解消や、国民の健康保護、雇用創出、社会的弱者の支援事業の成果は目立ったものと評されています。
近年、社会安全保障分野への歳出額は28%を超えています。その金額は雇用創出や、貧困解消、国の功労者と社会的弱者の支援、教育・医療・浄水、環境衛生、国民の住宅建設などに充てられています。
貧困解消に関して、2011∼2015年期におけるこの事業への投資額は20億ドルを超えました。また、2016∼2020年期も同じ金額です。したがって、貧困率は年平均2%低下しています。
現在、ベトナムは社会安全保障システムの完備を進めています。その中で、国民の最低収入の確保と貧困解消を目指す雇用政策や、国民のリスク管理を目指す保険政策、社会支援政策、医療・教育・浄水・住宅など基本的社会サービスに関する政策は4本の柱となっています。しかし、社会安全保障事業は多くの試練に直面しています。
先ごろ、ハノイで行われた「2021∼2030年期における迅速かつ持続可能な発展のための社会安全保障システムの開発・完備」に関するシンポジウムで、ゾアン・マウ・ジェップ労働次官はそれらの試練に触れ、人口の高齢化や、国際社会への参入と次世代自由貿易協定への加盟に伴う問題点などを取り上げました。
こうした中、ベトナムは、社会安全保障システムの拡大、社会安全保障に関わる公的サービスの刷新、人権へのアプローチ方法の刷新、社会的弱者に関する政策と国際社会への参入戦略の調和、社会安全保障に関する国際基準の導入などに力を入れていく必要があると指摘されています。