10月3日から一週間の主な国際ニュース

*先週、国連安全保障理事会は、戦闘が再燃しているシリア情勢を巡る緊急会合を開きました。政権側を支持するロシアと反体制派を後押しするアメリカの国連大使がお互いの非難を繰り返しました。戦闘収束に向けた解決策を見いだせませんでした。激戦地のシリア北部アレッポではアサド政権軍が空爆を再開し、人道危機が深刻になっていました。政権側、反体制派それぞれに影響力を持つ米ロの対立が決定的となり内戦は泥沼化()していました。

* 先週、左翼ゲリラ、コロンビア革命軍(FARC)との和平合意が国民投票で否決されたことを受け、和平を推進してきたサントス大統領は、反対派のウリベ前大統領らと大統領府で会談しました。サントス氏は会談後「合意を強固にするために、彼らの意見や修正提案にできる限り対応するつもりだ」と述べ、合意修正に前向きな姿勢を示しました。賛成、反対両派が修正を目指す方針を示したことは、FARCとの再交渉に向けた第一歩でしたが、FARCがどこまで応じるかは不透明でした。賛成、反対両派は修正に向けて協議を継続しました。

*先週、ハンガリーのオルバン首相は記者会見で、難民の集団受け入れを議会の承認なしに禁じることを可能とする憲法改正案を近く議会に提出すると明らかにしました。欧州連合(EU)の難民政策をめぐる2日の国民投票は規定の投票率に届かず成立しませんでしたが、有効投票の約98%がEUが決めた加盟国への難民割り当てに反対しました。首相は「結果を法に定めなければならない」と訴え、EUへの対抗姿勢を強めていました。

*アメリカ大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏と共和党ドナルド・トランプ氏による第2回テレビ討論会がアメリカ東部時間の9日午後9時、ミズーリ州セントルイスで始まりました。トランプ氏の過去のわいせつ発言で共和党内部に混乱が広がるなか、両氏は冒頭の握手なしで討論に入りました。今回は両氏が聴衆からの質問に答える「タウンホール(対話集会)形式」の討論会となりました。

*先週、アメリカ政府は、ミャンマー軍事政権の民主化弾圧を理由に発動した経済制裁を全面的に解除しました。ミャンマーへの新規投資を促すことで、3月末に発足したアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相率いる国民民主連盟(NLD)政権下の民主化を後押しする意向でした。

* 先週、国連安全保障理事会は、次期事務総長にポルトガル元首相のアントニオ・グテレス氏(67)を全会一致で指名しました。グテレス氏は2005年から昨年まで、国連難民高等弁務官も歴任しました。総会は来週、指名を承認する公算が大きく、任期は2017年1月1日から5年間となりました。

*先週、ノルウェーのノーベル賞委員会は、2016年のノーベル平和賞をコロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領に授与すると発表しました。50年以上にわたるコロンビア内戦の終結に向けた取り組みを評価しました。

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