*先週、シンガポールで、第12回アジア安全保障会議、通称シャングリラ対話が開かれ、アジア太平洋地域の27カ国の代表が出席しました。ベトナム東部海域での紛争をはじめとする地域安全状況は複雑な動きの中で、今回の対話は安全保障における地域諸国の信頼醸成を目指すオープンな対話と評されました。特に今回の対話で、ベトナムのグエン・タン・ズン首相は基調講演を行い、多くの国の支援を得ました。シャングリラ対話の成功は地域の平和、安全保障に向けての協力可能性を確認するものです。
*内戦が続くシリア情勢を巡ってアメリカとロシアが開催を目指している国際会議について、アサド大統領は30日に放送されたテレビインタビューで「反政府勢力側が参加に条件を付けるならば参加しない」と述べ、会議の実現が危ぶまれました。シリア情勢を巡っては、アメリカとロシアがアサド政権と反政府勢力の双方の代表を招いて事態の打開に向けた国際会議を来月に開くことを目指しています。この会議についてアサド大統領は、30日に放送されたレバノンのテレビ局とのインタビューで、「シリア国民の正式な代表者として出席するつもりだ」と述べ、参加する意向を明らかにしました。しかし、「会議の前に反政府勢力側がわれわれが受け入れられない条件を出すならば、われわれは参加しない」と述べ、反政府勢力側の出方次第では参加しないという立場を示しました。
* 朝鮮民主主義人民共和国は突然、柔軟な姿勢を見せはじめました。4月に一方的に強制閉鎖した、韓国と共同運営するケソン工業団地」について、韓国系の入居企業と対話する意向を示しました。それに対して、韓国政府側は応じない姿勢をみせています。
韓国聯合ニュースの報道によりますと、北朝鮮の祖国和平統一委員会の報道官は28日、開城工業団地に入居する韓国企業の訪問を受け入れると明言し、団地の操業再開に向けての交渉を提案してきました。
一方、韓国統一部の柳吉在(リュ・ギルジェ)長官は、5月29日の記者会見で、北朝鮮側のこうした動きに不快感を顕にし、「結局は企業を利用して、南北関係を揺さぶろうとしているだけだ」と述べました。
* インドのシン首相はタイと日本を訪問しました。インドは、日本の防衛産業製品の一番の輸入国になっています。東京で行われた安倍首相とインドのシン首相との会談で双方は両国の戦略的なパートナー関係の強化、中でも、日本製の水陸両用救難飛行艇US-2のインドへの納入及びその共同生産に関する合意を達成しました。タイで、両国の首脳は両国間のFTA自由貿易協定の交渉妥結を目指すことで一致したほか、タイ、ミャンマー、インドを結ぶ道路網整備に向け協力することでも合意した。
* アメリカのニューヨークの連邦地検は28日、大がかりな国際的マネーロンダリング(資金洗浄)に関与したとして電子通貨事業者リバティリザーブとその幹部を起訴したと発表しました。 ニューヨーク米連邦地検は「60億ドル(約6100億円)規模のマネーロンダリングの仕組みを運用し、無認可の送金事業を操業していた」などとしています。リバティリザーブは、ユーザー100万人以上による5500万件以上の違法取引を処理し、「世界的な犯罪行為を手助けした」としています。
捜査当局は24日、コスタリカ、スペイン、ニューヨークで同時に一斉摘発し、リバティリザーブの幹部らを逮捕し、コスタリカ当局は28日、ロシア国籍のマクシム・チュカレフ容疑者の身柄を米国に送還すると発表しました。捜査には17か国の法執行機関が協力。連邦地検は「マネーロンダリング事件では史上最大規模だろう」と述べました。