(VOVWORLD) -先週、ウクライナ軍事衝突に関わる西側諸国とロシアの間のエネルギー問題は深刻化し、経済分野だけでなく、世界の安全保障にとっても、懸念すべき兆しを見せています。
(写真:ロイター) |
EU=ヨーロッパ連合の加盟国は、ロシア産の石油の輸入禁止を含むロシアへの追加制裁について正式に合意し、船で輸送される石油については制裁の発動後8か月を経て、輸入が禁止されることになりました。EUは、先月30日の首脳会議で政治的に合意したロシアへの追加制裁について、3日、加盟国が正式に合意したと発表しました。
ロシア産石油の輸入禁止について、当面の対象は船で運ばれる石油に限るとしたうえで、原則として原油は制裁の発動後6か月、精製した石油製品については8か月を経て、輸入を禁止するとしています。
5月30日、欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン(Ursula von der Leyen)委員長は、EUは2022年末までにロシアからの石油輸入の約90%を削減すると発表しました。これは、ウクライナで進行中の戦争に対する制裁の最新のものでした。
そして、EBRD=欧州復興開発銀行は10日公表したリポートで、ロシアのガス輸出が突然停止した場合、欧州の新興国、中央アジア、北アフリカの経済が、新型コロナウイルスのパンデミック前の水準に縮小する可能性があると指摘しました。
6月2日、OPEC石油輸出国機構加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は、オンラインで閣僚級会合を開き、7月と8月に追加増産に踏み切ることで合意しました。西側諸国の制裁でロシアの産油量が落ち込む中、石油の安定供給を図る狙いがあります。
アナリストらによりますと、世界経済に対する西側とロシア間のエネルギー問題による影響は徐々に高まっています。これは新型コロナウイルス感染症収束後の世界経済の回復にとって、不利な要素であるとしています。