EU首脳会議 ロシアとの首脳会談開催で合意に至らず
(VOVWORLD) -先週、EU欧州連合はブリュッセルで首脳会議を開きました。
冷え込んでいるロシアとの関係について、ドイツとフランスが改善に向けて首脳会談を開くことを提案しましたが、ロシアを警戒する旧共産圏などの加盟国が反対し、合意には至りませんでした。
EU首脳会議後に公表された合意文書で、首脳らは会議でロシアの「違法で破壊的な活動」に対するEU加盟国の結束を重視し、執行機関である欧州委員会などに「経済制裁を含む追加の制限措置に関する選択肢を提示する」よう求めました。一方、ロシアとの緊張緩和を巡っては、「ロシアとの対話のあり方と条件を探る」との表現にとどまりました。
これに対し、ドイツのメルケル首相は、EUとロシア間の首脳会談開催について合意に至らなかったことを明らかにしました。メルケル氏は記者団に、自身としては「より思い切った行動」を望んでいた旨を示し、「ロシアと対話する形式や条件が策定される。しかし、首脳レベルではない」と指摘しました。また、メルケル氏は、EUとロシアの首脳会談開催に関する議論は「簡単なものではなかった」と述べました。
ロシアとの首脳会談に関しては、加盟国の多くから反対の声が上がっています。リトアニアのナウセーダ大統領は、ロシアに対するスタンスを変えないことが多くのEU首脳の共通認識だと説明しました。核保有国であるロシアとアメリカの関係に言及し、「(EUとロシアの関係は)米ロ関係とは異なり、非常に慎重になるべきだ」と指摘しました。
EU首脳会議の結果からみれば、ロシアをめぐって、思惑や歴史的な背景が異なるEUの各国が足並みをそろえることの難しさが改めて浮き彫りにされた形です。つまり、ロシアとEUの間の激動関係を改善するために依然として時間が随分かかることを見せています。