アフガニスタン情勢の不安定

(VOVWORLD) -15日、国外に脱出したアフガニスタンのガニ大統領は、駐留米軍の撤退完了を前に全土で猛攻を続けた反政府武装勢力タリバンが勝利したとする声明を発表し、タリバンによる政権掌握を認めました。
アフガニスタン情勢の不安定 - ảnh 1(写真:THX/TTXVN)

タリバンの復権は、2001年の米中枢同時テロ後の米英軍による攻撃で旧政権が崩壊して以来、約20年ぶりです。

これを受け、国連安全保障理事会は15日、アフガニスタン情勢を巡り、16日午前に緊急会合を開くと決定しました。グテーレス事務総長も参加して報告が行われるということです。激変するアフガニスタン情勢に注目しているとした上で、人命の保護や人道上の対応のため、最大限の自制を働かせるようタリバンとすべての当事者に促しました。

アメリカや、イギリス、ドイツ、日本など60カ国以上はアフガニスタンからの退避を望んでいる自国国民や、外国人の出国を認め、「空港や国境を引き続き開放すべきだ」との共同声明を発表しました。共同声明には、オーストラリアや、カナダ、フランス、イタリア、韓国、カタールなども署名し、「アフガン全土で権力を持つ者は、人命と財産を保護し、治安と市民秩序を直ちに回復させる責任がある」とし、「アフガンの人々は、尊厳を持って安全に安心して暮らす権利がある。われわれ国際社会はアフガンの人々を支援する用意がある」と表明しています。

タリバンのカブール進攻後に米国務省と国防総省が発表した共同声明によりますと、現地の米兵は48時間以内に6000人近い態勢になりました。アメリカ人とアメリカに協力してきたアフガン人の退避の支援のみが派遣の目的で、アフガン当局に代わって航空管制を担うことになるとしています。

治安の悪化が伝えられる背景の中で、国際社会は、IS=イスラム国からの過激なテロが戻す可能性があるとの懸念を示し、「これはアフガンだけでなく、近隣諸国の安全保障を脅かしている」としています。また、「アフガンは深刻な人道危機に直面する」と指摘しています。

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