アメリカでの人種差別による抗議デモ

(VOVWORLD) -首都ワシントンでは5月30日、およそ500人の参加者が「警察の人種差別にはもう我慢できない」などと訴えながら、議会に向かってデモ行進しました。

アメリカでは、白人の警察官に拘束された黒人男性が死亡した事件を受けて、抗議のデモが各地で相次いでいます。一部は過激化して略奪や放火も起きており、トランプ大統領は混乱を収めるため、連邦政府からも軍を派遣する用意があることを明らかにしました。

この事件は、アメリカ中西部ミネソタ州のミネアポリスで5月25日、黒人男性が白人の警察官らに拘束された際、首をひざで押さえつけられて死亡したもので、抗議のデモがアメリカ各地で続いています。
首都ワシントンでは5月30日、およそ500人の参加者が「警察の人種差別にはもう我慢できない」などと訴えながら、議会に向かってデモ行進しました。

特に、 アメリカのトランプ大統領がホワイトハウスの外で発生した抗議デモを受けて、地下壕に一時退避していたことが6月1日までにわかりました。ホワイトハウス当局者と法執行機関の情報筋が明らかにしました。一方、ミネアポリスでは一部の参加者が過激化し、スーパーで商品を略奪したり警察署を放火したりしたため、州政府が午後8時以降の外出を禁止する命令を出しました。

また、西部カリフォルニア州で、ロサンゼルスで店舗での略奪などが発生し、警察が5月29日、500人以上を逮捕したと発表したほか、オークランドのデモ会場の近くで連邦政府の建物の警備担当者が何者かに射殺され、警察が捜査を始めました。

こうした状況を受けて、トランプ大統領は30日、記者団に対し「地元当局は厳しく対応しなければならない。もし軍隊の派遣を望むのであれば、われわれの軍は準備ができている」と述べ、混乱を収めるため、州兵に加えて連邦政府からも軍を派遣する用意があることを明らかにしました。

実際、アメリカで、人種差別で抗議デモが発生するのは今回が初めてではありませんが、アメリカが新型コロナウイルス感染症により多くの困難に直面している背景の中で、この抗議デモはアメリカ国内に多くの不安をもたらしています。

また、アメリカ大統領選挙の投開票までおよそ5カ月になった現在、この抗議デモはトランプ政権に新たな試練をもたらしていると言えるでしょう。

ご感想

他の情報