(VOVWORLD) - 先週末、アメリカのドナルド・トランプ大統領は、中米エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラスの各国政府に「米国に不法入国する人々の出国を阻止できなかった」として、3カ国の経済援助を停止すると決定しました。米野党・民主党や支援団体からは疑問視する声が上がっていました。
アメリカは、防犯や移民流入解決に向けた予算を確保するため、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラスへの経済援助を行なってきましたが、実際、中米3カ国から流入する難民の数は急増しています。ホワイトハウスのマルバニー首席大統領補佐官代行は、国境警備強化や移民関連法の改正に向けて野党・民主党の支持が得られないため、トランプ大統領に残された選択肢は限られていると説明しました。 「大統領は制約があるなか、できる限りのことを行うつもりだ。それが国境検問所の閉鎖という意味なら、大統領はそれを実施する意向だ」と述べた。「われわれには国境警備が必要で、でき得る最善のことを行う」としました。
トランプ氏は昨年10月、アメリカへの不法移民問題における3カ国の対策不足を批判し、援助打ち切りもしくは大幅な削減を警告しました。ただ、専門家は援助停止は逆に3カ国住民の出国やアメリカ入国の試みを増やす可能性があると指摘しました。
3カ国への援助停止が金額にしてどの程度に達するのかは不明です。アメリカ議会調査局によりますと、昨年から今年にかけ中米地域に供与された援助資金は約13億ドル相当で大半は3カ国向けだったといいます。
援助支持者は、これらの中米地域からの移民を阻止する最善策は、彼らの経済発展を活気づけ暴力行為を減らすことであり、2016年に当時のバラク・オバマ大統領の下で推し進められたこの援助の影響を判断するには時期尚早だと主張しています。
今回、支援打ち切りの対象となった3カ国からは、地元での暴力を逃れようと難民申請をする人が急増しています。アメリカの南側国境に到達する移民のほとんどが、この3カ国の出身です。今後も、アメリカ政府は、引き続き難民問題に悩むでしょう。