トランプ政権の困難な状態

(VOVWORLD) - メキシコとの国境の壁建設をめぐるアメリカのトランプ大統領と野党・民主党の対立が続き、政府機関の一部閉鎖は過去最長となっています。これは、国際世論の注目を集めている問題の1つです。

アメリカではメキシコとの国境沿いの壁の建設費をめぐり、トランプ大統領と野党・民主党が対立して、新たな予算が成立せず、政府機関の一部閉鎖は14日、過去最長の24日目に入りました。

トランプ大統領は10日、メキシコと国境を接するテキサス州マッカレン(McAllen)を訪問し、メキシコからの不法移民流入によってアメリカ国内で殺人や犯罪組織の活動が拡大しているとして、国境の壁の必要性を改めて訴えました。

しかし、これに対して、民主党も壁の建設に反対する姿勢を崩しておらず、新たな予算案が成立するめどは立っていません。これにより、先月22日から始まった政府機関の一部閉鎖は24日目に入り、1995年から翌年にかけてクリントン政権の下で記録した閉鎖よりも長くなっており、さらに、今後も長引く恐れがあります。

アメリカメディアによりますと、11日には閉鎖の対象となっている数十万人の連邦政府の職員が給料日を迎え、給与が支払われない事態に陥るということで、職員らの不満がさらに強まるとしています。

また、政府閉鎖が長期化した場合の経済的な損失はトランプ大統領が求める壁の建設費用57億ドル(日本円で約6000億円)を上回るという試算を報じています。野党・民主党は反対姿勢を崩さず対立解消のめどが立たないなか、トランプ大統領は非常事態を宣言して壁の予算を確保する方法を検討しています。

トランプ大統領は壁の建設という公約を実現することで、来年の大統領選挙での再選に向けて支持基盤の共和党保守派にアピールしたい思惑があるものとみられます。しかし、民主党も、去年の中間選挙で議会下院の多数派を奪ったことを追い風に大統領選挙を見据え強い姿勢で交渉に臨む構えで、事態打開の見通しは立っていません。

ご感想

他の情報