リビアでの長期的な停戦合意を巡る情勢

(VOVWORLD) -先週、朝鮮民主主義人民共和国が引き続きミサイルを発射したことや、インドとパキスタンの緊張が高まること、アメリカのWTO=世界貿易機関脱退など世界情勢が進む一方、リビアが長期的な停戦に移行させていることは、積極的な兆しを示し、同国に対する持続可能な平和と繁栄の希望を見せています。

国の分裂状態が続く北アフリカのリビアについて、国連の安全保障理事会は停戦に向けた国連の仲介を全面的に支援することで一致しました。この事件を受けて臨時の会合を開いた国連の安全保障理事会は11日、「休戦を長期的な停戦に移行させるため、国連が提案する双方の信頼構築の取り組みを全面的に支持する」とする声明を発表しました。
しかし会合の中で暫定政権の国連大使は「今回の事件の前には暫定政権の女性議員が拉致された。休戦の条件はいかなる武力の行使もないことだ。休戦が兵力を移動する手段になってはならない」と述べて、ハフタル氏側への不信感をあらわにしました。

リビアは11年に本格化した民主化運動「アラブの春」でカダフィ政権が崩壊後、新政府が成立しましたが、14年に東西に分裂しました。国連主導で15年に統一政府が設立され、シラージュ氏が暫定首相に就任しましたが、ハフタル氏がこの政府を拒否しました。国連などが仲介をしてきましたが、対立が続いています。

リビア国民軍は、元国軍将校の実力者ハリファ・ハフタル氏が率いる民兵組織です。東部ベンガジを支配下に置き、UN=国連が承認した国民合意政府が統治する首都トリポリ奪取を目指し、4月上旬から攻勢をかけてきました。それを国民合意政府派の武装勢力が、トリポリ南郊の戦闘で押しとどめています。

一方、リビア国民軍の支配下にあるベンガジで同日、自動車爆弾が爆発し、UNSMIL=国連リビア支援団の職員3人が死亡、3人が負傷しました。国連は、安全上の懸念から閉鎖していたベンガジ事務所を数か月前に再開したばかりでした。

WHO=世界保健機関によりますと、リビアでは8月までの4か月間の戦闘で1093人が死亡、5752人が負傷し、住む家を追われた人は12万人を超えました。

こうした中、国連のグテレス事務総長は声明で、「最も強い言葉」で非難しました。グテーレス氏は「すべての関係者に休戦を尊重することを求める」と声明を発表しました。そして、これまで収めてきた楽観的な状勢だと、関連各側は永遠な停戦合意に達すると期待されています。

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