(VOVWORLD) -4月10日から16日にかけて行なわれた国際通貨基金(IMF)と世界銀行グループ(WBG)の2022年春季会合にあわせ、世銀は貧困国の深刻化する債務問題の解決に向けた取り組みを推進するとともに、債務再編を阻んでいる最大の障害の一部に対処するための具体案をIMFと連携して提示しました。
10日、IMFのゲオルギエワ専務理事は低所得国の先行きについて「それほど明るくない」と懸念を示しました。また、14日、ゲオルギエワ氏はIMF・WBの春季会合で記者会見をし、途上国の債務問題について今週「目に見える進展」があったとした上で、債務問題に直面する国は早めに支援を申し出るべきだと呼びかけました。
ゲオルギエワ氏は、途上国債務に関する円卓会議が債務再編手続きの加速に寄与していると指摘しました。また、「国際開発金融機関が債務国に資金を提供することで役割を果たせるとの認識で参加国が一致した。債務再編の必要性を回避する措置を積極的に講じることを強く期待する。早めに返済期限を延長し、金融支援を提供すれば、債務国は経済活動を強化でき、大規模な債務再編を回避できる」と述べました。
さらに、「国際的な状況が悪化した場合に当然、備える必要がある。金融環境が一段と引き締まった場合を想像してほしい。そうなれば債務国の負担が増える」とし「悲惨な状況になる前に行動してほしい」と語りました。
一方、世銀のマルパス総裁は10日、記者団と電話で会見し、進展の可能性が見込まれる二つの分野に言及しました。そのうちの一つは再編プロセスの開始に当たり債務返済を一時停止することで、合意締結のインセンティブとなり、債務国の返済能力を守ることにつながると指摘しました。もう一つは、民間債権者への返済に遅延が生じている債務国へのIMFによる貸し付けというこれまであまり使われてこなかった政策をもっと頻繁に活用することです。早急な支援が必要と判断された場合、IMF融資が可能となるとしています。
マルパス総裁は、債権国委員会の設立やファイナンス保証の提供、実際の再編合意の締結などの措置に関し明確なスケジュールを作成することで、再編プロセスを加速・強化することにもなると論じました。一方、世銀の世界経済成長率見通しを巡っては、2%に減速するとしつつも、中国の本格的な経済活動再開や従来予想より良好な先進国経済のパフォーマンスなどを背景に、1月時点の1.7%から上方修正したとしています。
春季会合は毎年春、世界銀行・IMF合同、およびIMFの国際通貨金融委員会が開催され、両機関の業務の進捗状況を議論します。 両機関の総務会の全体セッションは、毎年秋の年次総会の期間中のみ開催されます。