(VOVWORLD) -先週、パプアニューギニアで開かれていたAPEC=アジア太平洋経済協力の首脳会議は、史上初めて首脳宣言を採択せずに閉幕しました。
会議で、APEC首脳会議の議長国パプアニューギニアのオニール首相は加盟諸国に対し、WTO=世界貿易機関により積極的に参加するよう求める議長声明を発表しました。
オニール首相は、採択を断念した首脳宣言に代わる議長声明で、「少数の」APEC加盟国が貿易方針やWTOの機能について合意できなかったとし、「WTOの機能を改善し、全メンバーに寄与するために、われわれはその交渉や監視、紛争解決の機能の改善にともに取り組むことにコミットしている」と表明しました。
今回のAPEC首脳会議では、アメリカ・中国のつばぜり合いが激化していました。アメリカのマイク・ペンス副大統領は、17日の会合で、「アメリカは開かれた公正な取引を行う。われわれはベルト(帯)を締め付けるようなことや、一方通行の道を提供するようなことはしない」と述べ、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を批判しました。
アメリカ側は、中国が外資規制や行政審査を通じて進出企業に技術移転を強要する不適切な慣行や、国有企業への補助金を問題視しました。
一方、中国の習近平国家主席は首脳会議で、アメリカの「自国第一主義」を意識して「保護主義と一国主義が台頭し、多角的貿易体制が打撃を受けている」と非難しました。
APEC首脳会議が閉幕した後も、アメリカと中国との貿易摩擦が緩和される兆しが出ていません。今回のAPEC首脳会議が期待通りの成果を収めなかったことは世界経済にマイナス影響を与えることでしょう。