中国とオーストラリア関係をめぐる問題

(VOVWORLD) - 新型コロナウイルスの起源に関する国際調査を巡り、中国とオーストラリア関係が深刻化しており、ほかの分野にも拡大しています。

 新型コロナウイルスの起源に関する国際調査を巡り深刻化した中国とオーストラリアの対立は収まる兆しが見えない。中国が経済報復ともいえる措置を取ったことに対し、オーストラリア側は閣僚級での対話を呼びかけたが中国側は応じませんでした。

一方、最大の貿易相手国である中国との関係悪化はオーストラリア経済には打撃で、豪州は先端技術協力や安全保障面でインドとの関係強化を図っています。オーストラリアのモリソン首相は11日、中国との関係が悪化していることについて、脅しには屈しないと述べました。 

モリソン首相は2GBラジオに対し、「オーストラリアは開かれた貿易国だが、どこかに強制されて自分たちの価値観を売り払うことはしない」と発言しました。 3AWラジオとの別のインタビューでも、新型コロナでアジア人が差別されるとの中国側の主張について「馬鹿げた断定だ」と反論しました。

一方、中国文化観光省は5日、「オーストラリアで新型ウイルスに関連して中国人やアジア系への差別的な発言や暴力行為が明らかに増えている」として、国民に渡航自粛を呼びかけました。オーストラリア産牛肉の輸入の一部停止や大麦への制裁関税に続く措置です。オーストラリアでは国別で最も多い17万人近い中国人留学生が学び、影響は大きいです。

こうした中、豪通信社AAPによりますと、中国広東省広州市の中級人民法院はカーム・ガレスピー被告に死刑判決を下しました。同被告は2013年、広州(白雲)国際空港から国際便に搭乗しようとした際、メタンフェタミン7.5キログラム余りを預け荷物にしのばせて逮捕されました。

オーストラリアのバーミンガム貿易・観光・投資相は14日、この事件について、「豪中間の緊張を巡る報復措置と必ずしも見なすべきではない」との見解を示しました。

新型コロナウイルスの起源に関する国際調査を巡り、中国とオーストラリア関係が深刻化しており、ほかの分野にも拡大しています。アナリストらは、「その対立は長引き、多大な被害をもたらす可能性がある」と分析しています。

ご感想

他の情報