中東地域での緊張のエスカレート

(VOVWORLD) - 先週、アメリカとイランは互いに報復措置を取り、両国だけでなく、中東地域全体の安全保障面でのリスクと緊張を増幅しました。それに加えて、イラン軍がウクライナの旅客機を撃墜し、176人を死亡させた事件はその情勢をさらに悪化させました。

アメリカとイランの対立の舞台となっているイラクで、アメリカ軍が駐留する基地に再び、ロケット弾による攻撃がありました。これはアメリカによるイランの司令官殺害に反発する勢力の報復とみられています。

イランによるイラク駐留アメリカ軍基地への攻撃を受け、アメリカのトランプ大統領は演説し、「イランは抑制しているようだ。全ての当事者と世界にとって良いことだ」と述べ、緊張が緩和へ向かう可能性を示唆しました。

しかし、イラン軍がウクライナの旅客機を撃墜し、176人を死亡させた事件後、情勢が複雑に推移しています。これに関し、イランのロウハニ大統領はツイッターで、「人為的なミスによって発射されたミサイルが残念なことにウクライナの航空機の墜落と176人の罪なき人々の死を引き起こしてしまったことが分かった」と述べました。そのうえで、「この悲劇と許されざるミスの原因を究明し、訴追するための捜査を続ける」として、関係者の責任を追及する意向を示しました。

イランがウクライナ旅客機を「人為的ミス」で撃墜したと認めたことを受け、イランの首都テヘランなどで、大規模な反政府デモが発生しました。このデモに関して、テヘラン駐在のイギリスのロバート・マケア大使が違法な集会への参加や、不当な行動を理由として12日日曜、イラン外務省に呼び出されました。

こうした中、国際社会は旅客機撃墜事件に関する全面的な調査を呼びかけています。これらの動きから見れば、イラン情勢や、アメリカ・イラン関係、中東地域での緊張が緩和されるまでの道のりはまだ遠いといえます。アナリストらは、「今後、中東地域情勢がどうなるかはアメリカとイランの態度によるものである」と分析しています。

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