(VOVWORLD) - アフガニスタンは、戦闘と国内避難民の増加に加え、この3年間で2度目の厳しい干ばつに見舞われています。
(写真:ロイター) |
タリバンに制圧されたアフガニスタンについてですが、WFP=世界食糧計画は、「全人口の3分の1に相当する1400万人が深刻な飢餓か、餓死寸前の『急性飢餓』の危機に直面している」とし、警鐘を鳴らしています。紛争と地球温暖化に伴う干ばつは多大な影響を与えているということです。
首都カブールからAFPの電話インタビューに応じたWFPアフガニスタン事務所のマリーエレン・マクグローティ(Mary-Ellen McGroarty)代表は、「2021年はアフガニスタンにとって特に困難な年だ」と述べ、「恐るべき人道危機が進行している」と警告し、「自身とWFPは今、何よりも必要とされている人道支援を行うため現地にとどまる」との考えを示しました。
マクグローティ氏によりますと、アフガニスタンは、戦闘と国内避難民の増加に加え、この3年間で2度目の厳しい干ばつに見舞われています。マクグローティ氏は、WFPにとっての最優先事項はアフガニスタンにとどまり、国民を安全に支援することだと主張しました。
「われわれは、どちらの側にもつかない」と述べ、「妨害を受けることのない人道的アクセス」を確保するため交渉していると語りました。 また同氏は、年末までに900万人に支援を届けたいとし、「厳しいアフガニスタンの冬」が訪れる前に、冬場は往来が困難になる地域に十分な食料を届ける必要があると強調しました。
こうした中、アメリカのバイデン大統領は22日、ホワイトハウスで記者団に、アフガニスタンで米国民らの退避活動が継続している状況を受け、今月末の退避完了や米軍撤収の期限延長を米軍と協議していることを明らかにしました。バイデン氏はアフガニスタンからの難民・移民受け入れ支援のため、最大5億ドル(約550億円)を緊急的に拠出すると発表しました。
一方、イギリス政府は、アフガニスタンからの難民らを、最大2万人受け入れる方針を発表しました。ジョンソン氏はバイデン大統領と電話協議し、アフガニスタンへの人道支援や難民支援について話し合っていました。
8月17日に行なわれた公式記者会見で、タリバンの報道官はアフガニスタンを指導することに多くの前向きな確約を出しましたが、国際世論はそれらの確約は十分ではないと指摘し、タリバンの実質的な行動を求めています。