今も続くテロとの戦い

(VOVWORLD) - 27日、トランプ大統領は、過激派組織「IS=イスラム国」の指導者アブバクル・バグダディ容疑者を狙った作戦が成功し、同容疑者が死亡したと発表しました。

アブバクル・バグダディ容疑者はイスラム共同体の最高権威「カリフ」を名乗り、過激派組織IS=イスラミックステートが標ぼうした「国家」のトップにあたります。バグダディ容疑者は1971年にイラク中部のサマーラに生まれ、首都バグダッドの大学で学んだとされ、2003年のイラク戦争のあと収容された施設内でイスラム過激派の思想を強めたとみられています。

その後、国際テロ組織アルカイダ系の組織に参加し、当時の指導者ザルカウィ氏がアメリカ軍に殺害されたあと、この組織を率いるようになりました。

ISは一時、シリアとイラクにまたがる広大な地域を占領しました。バグダディ容疑者は14年6月、この地域でイスラム法に基づく政教一致の「国家」を樹立すると宣言しました。そして、インターネットを通じ、世界に過激思想を広めました。イスラム圏だけでなく、欧米からも多くの若者らを戦闘員などとして受け入れました。キリスト教会などを狙い、世界各地で起きたテロへの関与を認めてきました。

ISは誘拐した外国人らを殺害する様子を撮影して映像をネットで流し、過激さを印象づけました。バグダディ容疑者の死亡に関し、RIA国営ロシア通信は、「ロシア国防省によると、アメリカ軍の急襲に関する信頼性のある情報はない」と報じて、バグダディ容疑者の死亡に懐疑的な見方を示しました。

フランスのマクロン大統領も、「ISは終わっていない」と警告し、「バグダディ容疑者の死亡はISに打撃となるが、1つの段階でしかない」と語りました。同国内相も、過激派による報復に警戒を強めるよう呼びかけました。また、NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は、ISとの戦いにおける支持を表明しました。

今回、バグダディ容疑者の死亡が発表されたことをうけ、世界各地に散らばっているISの戦闘員や過激思想に染まった支持者による報復テロなども懸念されており、ISの脅威は依然として残ったままとなっています。

ご感想

他の情報