先週の主な国際ニュース(10月10日から)



*シリアでは先月、アサド政権と反政府勢力がいったん停戦に入りましたが、その後戦闘が再燃して停戦は崩壊し、仲介役のアメリカとロシアの2国間の協議も非難の応酬の末、打ち切られるなど、状況は悪化の一途をたどっています。事態打開を目指し、アメリカとロシアは、15日にスイスで、トルコやサウジアラビア、イランなど関係国も交えて外相級の会議を開きました。4時間以上にわたった会議では再び双方の停戦を目指すことやアサド政権が包囲しているアレッポ東部への支援物資の搬送について意見が交わされ、今後も協議を継続させることでは一致しました。しかし会議に参加したトルコのチャウシュオール外相は、「人道支援の必要性では一致したが、なにも決まったことはない」と述べるなど事態の打開策は示されませんでした。


*タイのプミポン国王は13日に88歳で亡くなり、タイ政府は1年間を喪に服す期間と定め、特に30日間は娯楽や祝い事を自粛するよう国民に呼びかけています。プミポン国王の遺体が安置されている王宮では、15日も僧侶などによって追悼の祈りが捧げられ、記帳台の前には、黒い服に身を包んだ市民の長蛇の列が出来ていました。プミポン国王の死去を受けて、タイでは週末の15日、大勢の市民が哀悼の意を示す黒い服を用意するため、市場などを訪れていました。


*11月8日の投開票まで1か月を切ったアメリカ大統領選挙は、先月26日と今月9日の2度のテレビ討論会で安定感を発揮した民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官(68)の優位が鮮明になってきました。アメリカ新聞ウォール・ストリート・ジャーナルなどが10日に発表した世論調査によりますと、両候補の1対1の選挙を想定した全米支持率はクリントン氏が52%で、トランプ氏は38%でした。9月中旬時点で7ポイント差だったのが14ポイント差に拡大しました。わいせつ発言に反発した共和党支持者の一部が離反しているのに加え、態度を決めかねていた無党派層の一部がクリントン氏に流れているとみられています。

*中国やロシア、それにインドなど新興5か国でつくるBRICSの首脳会議は、ロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席などが出席してインド南部のゴアで16日までの2日間にわたって行われました。インドのモディ首相は声明を発表し、「世界経済を再びけん引するため、BRICSが何ができるか議論した」と述べたうえで、経済協力を中心とした共同宣言を採択したことを明らかにしました。共同宣言では、BRICSが互いにインフラ整備への投資を増やし、貿易、製造業、農業、エネルギーなどの分野で一段と協力関係を強化していくなどとしています。


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