国際社会、爆発被害のベイルート支援で団結心を示す

(VOVWORLD) - 先週、中東・レバノンの首都ベイルートで4日、大規模な爆発が起き、町の広い範囲で建物や車が壊れるなどの大きな被害が出ました。

レバノン政府は、爆発があった倉庫には爆薬の原料にもなる硝酸アンモニウムがおよそ2750トン保管されていたことを明らかにし、原因の究明を進めることにしています。これまでに158人が死亡し、およそ6000人がけがをしたと伝えています。こうした状況の中、国際社会からは救助の専門家や医療物資などが次々と送られ、支援の輪が広がっています。

爆発の被害について、ベイルートの県知事は「30万人が家を失い、被害額は30億ドルから50億ドルにのぼっている」と明らかにしました。レバノン当局は6日、港湾関係者ら16人を拘束したと発表しましたが、現地のメディアのの取材で、このうち、元税関トップら7人について資産の凍結を指示したことが明らかになりました。

爆発からわずか3日で、関係者の拘束や資産凍結といった措置が続いた背景には、経済危機に続く今回の惨事を受け、市民の怒りの矛先をそらしたい政権側の狙いもあるものとみられますが、ベイルートでは7日未明に大規模なデモが行われ、市民らが政府の怠慢を批判しています。

また、8日、昨年10月以来の大規模な反政府デモが起き、殉教者広場に約1万人が集まりました。警官1人が死亡したほか、170人以上が負傷しました。こうした状況の中、国際社会から支援の動きが始まり、レバノンと歴史的に関係の深いフランスは、9日、国際支援会合で、「世界各国が合計で2億5270万ユーロを超える支援金を拠出し、被害を受けた人々に「直接」支援を届けることが確約された」と発表しました。

会合はエマニュエル・マクロン大統領と国連が主催してテレビ会議形式で行われ、ドナルド・トランプ大統領ら15か国の首脳を含む約30か国の代表が参加しました。EU欧州連合とアラブ連盟の代表も参加しました。会合ではレバノン国民と連帯し、今後数日から数週間で「大規模な資源」を集めることを約束しました。

世界が新型コロナウィルス感染症が複雑に推移している背景の中で、レバノンの首都ベイルートで起きた大規模な爆発は、レバノン国民に対し多大な被害を引き起こしましたが、国際社会から迅速で大きな支援でレバノンがいち早く難関を乗り越えると期待されています。

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