新型コロナウイルス、EUの団結精神の試金石

(VOVWORLD) - EUは26日、新型コロナウイルスへの対応を協議するテレビ首脳会議を開き、感染封じ込め策の解除に向けた「出口戦略」や経済再建計画の策定に着手することで一致しました。

 欧州は新型コロナウイルスによるパンデミックの中心とみられています。その中で、イタリアや、スペイン、フランス、ギリシャなどは、死者数が毎日、急増しています。こうした中、欧州諸国は疫病予防対策に財源を集めています。しかし、EU諸国間の団結は焦点となっています。

実際、新型コロナウイルスへの対応を巡り、EUの亀裂が表面化しています。経済対策では強力な対応を打ち出せず、物資支援も後手に回りました。欧州共通債を巡っても、対立の火種を抱えます。甚大な被害を受けた加盟国でEUへの信頼低下を招きかねない事態を生んでいます。

EUは26日、新型コロナウイルスへの対応を協議するテレビ首脳会議を開き、感染封じ込め策の解除に向けた「出口戦略」や経済再建計画の策定に着手することで一致しました。ただ、焦点だった各国財政へのEU共通の支援策については合意できず、結論を先送りしました。

財務相らに具体案を2週間以内に示すよう指示しました。  スペインのサンチェス首相は3月28日のテレビ演説で、「「EUにとって創設以来、最も厳しい局面だ」と訴えました。欧州で最も状況が深刻なスペイン、イタリア両国の死者数は計2万人を超え、感染拡大阻止を優先するため経済は停止状態にあります。 

両国はEUに対し、コロナ対策の財源を確保するため、欧州共通の債券「コロナ債」を特例として発行するよう求めています。26日にテレビ会議方式で行われたEU首脳会議ではフランスなどが支持しましたが、財政規律を重視し、借金の肩代わりを嫌うドイツ、オランダは「時期尚早」として反対しています。

EU各国はユーロ圏財務相会議を通じて今後2週間以内に打開策を打ち出す方針ですが、各国の隔たりは大きくどこまで歩み寄れるかが焦点となります。

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