新型コロナ、世界の貧困率の増加につながる

(VOVWORLD) - OCHAがまとめた報告書によりますと、コロナによる世界的な景気後退で失業者の増加や食料供給網の混乱が進み、十分な栄養を取れない人が急増しています。

新型コロナウイルスの感染が世界中に広がる中、国連は人道支援を必要とする人が、来年はことしより4割増え、2億3500万人に上るという見通しを示し、国際社会に財政支援を呼びかけています。

OCHA=国連人道問題調整事務所は12月1日、国連やNGOが世界各地で行う食糧の配給や、感染症の予防接種などの人道支援についてまとめた報告書を公表しました。この中で、新型コロナウイルスの感染が世界中に広がる中、失業する人や十分に食事をとることができない人などが増え続けているとして、世界で人道支援を必要とする人が来年はことしより4割増えて2億3500万人に上るという見通しを示しました。

このうち特に深刻な1億6000万人を支援するために、350億ドル(約3兆6400億円)が必要だといいます。OCHAがまとめた報告書によりますと、コロナによる世界的な景気後退で失業者の増加や食料供給網の混乱が進み、十分な栄養を取れない人が急増しています。発展途上国を中心に医療や予防接種を受けられない人も増え、エイズやマラリア、結核で死亡する人は今年の2倍になる可能性があります。

報告書は「1990年代以来、はじめて極度の貧困が増加する」と警告しています。内戦や紛争が続くシリアやイエメン、アフガニスタンなど途上国56カ国の1億6000万人に早期の支援が必要だと訴えました。

また、東南アジア5ヵ国はそれぞれ20年の成長率が大幅に低下、特に経済の輸出・観光依存度の高いタイとマレーシア、海外出稼ぎ労働者の送金が減少するフィリピンの成長率低下は著しく、通年で大幅なマイナス成長を予想します。新型コロナの流行に収束の兆しがみえないインドネシアは活動制限措置の再実施などにより小幅のマイナス成長を予想します。

アナリストらによりますと、新型コロナウイルスの感染が確認された人は、12月7日までの時点で、世界全体で6681万8756人となっています。また、亡くなった人は153万3018人に上っています。その中で、新型コロナウイルスの新規感染者数が1週間当たり100万人を超す状況が続くアメリカですが、来秋にもコロナ禍を終息させられる見通しになりました。12月中旬にも、まずは医療従事者と長期介護施設の入居者らを最優先に、全米で20万人を対象に新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種を開始します。

こうした中で、世界各国では、新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種を幅広く展開しています。

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