欧州議会選挙をめぐる問題

(VOVWORLD) - アナリストらによりますと、今回の選挙は、欧州の政治・社会生活の変化を見せています。

EU=欧州連合の欧州議会選挙の関して、議会事務局が27日午前に発表した議席予測によりますと、議会で大連立を組む中道右派・左派の2大会派が過半数を割る見通しです。EU統合を推進した2大会派が過半数を失うのは1979年の選挙開始から初めてで、欧州政治の本流だった既成政党の衰退が加速しています。

具体的には、親EUの二大会派は、中道右派EPP=欧州人民党が179議席、中道左派のS&D=欧州社会・進歩連盟が150議席を獲得し、それぞれ第一、第二会派の座は守ったものの、改選前の216議席、184議席から大幅に議席を減らしています。

一方、EU懐疑派は、フランスの「国民連合」とイタリアの「同盟」が参加する会派ENF=「国家と自由の欧州」が58議席、ドイツのAfD=「ドイツのための選択肢」が属するEFDD=「自由と直接民主主義の欧州」が58議席と伸ばしました。EU懐疑派全体で議席の三分の一を超えれば、一部議案の阻止など一定の影響力を行使できます。これは、今後の欧州の政策制定に影響を与えます。

アナリストらによりますと、今回の選挙は、欧州の政治・社会生活の変化を見せています。その結果は、EUを維持しようとする人々にとっては朗報ですが、これまで議会で多くの議席を押さえてきた政党にとっては厳しい結果となったとしています。

欧州議会とは、EUの立法機関であり、加盟国の市民が直接選挙で選んだ議員が加盟国で構成する閣僚理事会と共同立法します。国際協定の締結や、加盟国の増減などの重要決定には欧州議会の同意が必要とされます。法案提出権を持つ欧州委員会の監督も行い、欧州委員長と全欧州委員の就任を承認するほか、総辞職をさせることもできます。そのため、欧州議会のあらゆる変化も欧州全体に影響を与えるといえます。

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