米中の貿易摩擦、APECの第26回会議に影響

(VOVWORLD) - アメリカと中国の貿易摩擦が激化している中、APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議が先週、南太平洋のパプアニューギニアで行なわれました。

開幕前の関連会合では、中国の習近平国家主席がトランプ政権の保護主義と単独主義を批判し、自由貿易体制を維持していく考えを強調しました。習氏は「貿易戦争には勝者はいない」とも述べ、話し合いによる解決が重要だとの認識も示しました。中国は改革・開放政策に基づき輸入を増やしたと説明しました。

一方、アメリカのペンス副大統領は、中国が巨額の支援を通じて地域への影響力を拡大させていることを念頭に「支援は条件付きだったり膨大な債務につながったりすることがあまりにも多い」と指摘しました。

そして、「主権を脅かすような対外債務を受け入れてはならない。アメリカは相手国を債務漬けにすることはない」と述べて、中国は一部の国々を債務漬けにしていると批判し、中国に対抗する姿勢を鮮明にしました。

また、ペンス副大統領は「インド太平洋地域にとってインフラ整備は最優先事項だ」と述べて、インフラ整備のために600億ドルの融資枠を設けると表明し、インド太平洋地域への関与を強めていく方針を示しました。

中国との貿易摩擦についてペンス副大統領は「中国がそのやり方を変えるまでアメリカは方法を変えない」と述べて、今後も強い態度で臨む姿勢を強調しました。

今回のAPECの首脳会議では、中国がアメリカを念頭に保護主義の風潮を批判するなど両国の意見の対立が際立ち、初めて首脳宣言を出せないまま閉幕するという異例の事態となりました。

米中両国は11月末、アルゼンチンで行われるG20=20カ国・地域の場で首脳会談を行う予定でここで問題終結に向けた議論ができるのかが注目されるとしています。

国際貿易のルールをめぐって鋭く対立し、地域の影響力をめぐっても競い合う、世界の二大経済大国であるアメリカ・中国の両国は、首脳会議で激しい舌戦を展開しました。参加した各国の首脳らは共同宣言で合意に至ることができませんでした。


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