米中貿易摩擦、緊張増す

(VOVWORLD) -  先週、アメリカと中国との貿易摩擦は悪化しました。これは双方が情勢を深刻化させる措置をとったからです。「制裁と報復」という世界1位と2位の経済大国の相互対応は問題解決にとって不利であると評されています。

中国政府は、日本時間の1日午前1時、液化天然ガスや農産品などおよそ6兆5,000億円相当のアメリカ製品に対し、追加関税を最大25%に引き上げる措置を発動しました。アメリカが22兆円相当の中国製品への追加関税を引き上げたことに対する報復措置となっています。

また、中国商務省は、中国企業の権益を損なう外国企業や組織などを「信頼できない企業」として取引を制限するリストをつくると発表しました。トランプ政権が通信機器大手・ファーウェイなどをアメリカ市場から閉め出す事実上の禁輸措置を発表したことへの対抗措置とみられています。

アメリカと中国の貿易摩擦が激しさを増す中、中国は、2日に公表した新たな報告書で、次々と関税を引き上げて圧力をかけるトランプ政権のやり方を批判し、中国の原則に関わる問題では決して譲歩しないと、徹底して対抗する立場を鮮明にしました。

中国は1日、アメリカからの輸入品の関税を引き上げる報復措置に踏み切りましたが、記者会見した中国商務省の王受文次官は「アメリカに対抗するために必要で合理的な対応だ」と述べ、みずからの関税引き上げを正当化しました。

中国は、「効果的解決策を見出すために、アメリカと協力する用意がある」と主張していますが、現段階で、米中の対立はさらに激しくなっていました。そして、今後の行方は予断しにくいといえます。

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