米英仏のシリア攻撃とその予断できない危険性

(VOVWORLD) - 先週から、国際世論はアメリカや、イギリス、フランスによるシリア空爆に特別な注目を寄せています。

3カ国がシリアの化学兵器関連施設に対する攻撃の「成功」を宣言する一方で、シリア政権を支援するロシアとアメリカは互いに強硬な姿勢を強め、非難の応酬を続けています。

アメリカのトランプ大統領は14日、攻撃が「完璧に実行された」とし、「作戦完了」を宣言しました。トランプ氏や、イギリスのメイ首相、フランスのマクロン大統領はそれぞれ、電話会談で攻撃の成功を確認しました。

また、アメリカ国防総省のマッケンジー統合参謀本部事務局長は、「正確で圧倒的かつ有効な作戦だった」と述べ、「シリアが化学兵器を製造・使用する能力は数年間分が損なわれた」との見方を示しました。

これに対して、シリア軍は、同国に撃ち込まれたミサイル110発の「大半」を迎撃したと主張しています。ロシア国防省も、「巡航ミサイル103発の中、71発はシリアが撃墜した」とし、「7発がシリア軍飛行場に到達したものの、大きな被害はなかった」と明らかにしました。

シリアのアサド大統領は国営テレビを通し、「攻撃を受けて、テロせん滅のための戦い続ける決意を新たにした」と述べました。また、シリアの国営メディアは、攻撃を「国際法違反」と非難しています。

一方、ロシアのプーチン大統領は、攻撃を「主権国家に対する侵略行為」と糾弾し、「国連憲章違反だ」と非難しています。さらに、ロシアの駐米大使は「このような行動は結果を招かずに終わることはない」と警告しました。

国連安全保障理事会は14日午前、緊急会合を開きましたが、これは、ロシアのほか、ボリビアの要請で開催されました。会合では、ロシアが攻撃を国際法違反と非難したのに対し、アメリカ・イギリス・フランスは正当性を主張しました。

安保理では、アサド政権による化学兵器使用疑惑が浮上しても、責任追及に向けた措置に合意できていません。ロシアはシリア内戦下で化学兵器をめぐる決議案に拒否権を6回行使しています。

国際世論は、深い懸念を示した上で、関係各側に対し、自制して、あらゆる紛争を国連憲章と国際法に従って平和的措置で解決するよう呼びかけています。

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