1月18日からの主な国際ニュース


*(IAEA)国際原子力機関が、イランが核開発の制限について欧米など6カ国と結んだ合意を履行していることを確認したことを受けて、アメリカのオバマ大統領は、制裁を一部解除する大統領令に署名しました。EU欧州連合も制裁解除に向けた手続きを開始しました。こうした動きは、国際社会の評価を受けています。パン・ギムン国連事務総長は、これは外交の歴史的な成果であり、中東地域の安定を促すであろうとの見解を出しました。

*シリア内戦の解決について政府と反政府勢力が2年ぶりに話し合う和平会議が、週明け25日から始まる予定でしたが、双方の間の溝が深く、開始が遅れる見通しです。協議に参加するメンバーをめぐり、アサド政権側を支援するロシアと、反体制派の一部を支援するサウジアラビアが対立しているためです。五年目に入ったシリア内戦の収束がさらに遠のく恐れが強まっています。

*先週、中国の習近平国家主席は、サウジアラビア、エジプト、イランの中東3カ国歴訪を開始しました。習近平主席は、訪問先のエジプトで演説し、中東諸国に総額およそ4兆1000億円に上る融資を行うことを表明し、中東でアメリカの影響力が低下するなか、中国の存在感をアピールしました。

*内戦状態が続くリビアで統一政府樹立を目指す「大統領評議会」は19日、32人からなる内閣の閣僚名簿を発表しました。統一政府をめぐっては、対立するリビア東部トブルクを拠点とする民族派と、首都トリポリを掌握するイスラム勢力の代表者が昨年12月、発足で合意しました。しかし、それぞれの内部で反対論が根強いこともあり、同評議会は現在、隣国チュニジアでの活動を余儀なくされています。リビア国内で実権を伴う新政府を始動できるかは不透明です。

*EU欧州連合のトゥスク大統領は19日、域内の移民や難民の問題に早く対処しなければ、パスポートなしでEU内を自由に往来できるシェンゲン協定が崩壊する可能性があると警告した。シェンゲン協定に基づく制度は既に、デンマークやドイツ、スウェーデンなどいくつかの国で停止されており、これらの国は移民や難民の大量流入を抑えるため国境での規制を導入しました。3月17日と18日の両日に開かれるEU首脳会議は、主に移民や難民の問題について協議されますが、EU加盟国の間にある大きな溝を埋めるのは難航すると見られます。

*先週、世界各地で、テロ事件が多発しました。パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクア州で20日、銃を持った武装グループが大学を襲撃しました。パキスタン軍によりますと、学生など20人が死亡、11人が負傷しました。一方、21日夜、エジプトの首都カイロの近郊にあるアパートで爆発があり、警察官や市民など6人が死亡しました。過激派組織IS=「イスラム国家」の支部を名乗る組織が、みずからの犯行だと主張する声明を出しました。

*中国が初めて主導して設立した国際金融機関「(AIIB)アジアインフラ投資銀行」の開業式典が先週、北京で行われました。式典で、習近平国家主席は「AIIBは地域の相互提携と経済一体化を推進し、AIIBに参加するアジアの発展途上国の投資環境の改善にも役立つ」と述べました。中国としては世界金融の新たなルール作りを主導し、国際社会への影響力を強めたい思惑があります。


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